「野菜で育ったお米」これぞ真の循環型農業!【譲る米】
「野菜で育ったお米」これぞ真の循環型農業!【譲る米】
今回も「譲る米」の魅力についてご紹介していきます!
「野菜で育ったお米」
「循環型農業」
と聞くと、何やら環境に優しい、体に良いイメージが漂ってきます。
「野菜で育ったお米」については、過去の記事にて少し触れました。
「野菜の栄養で育ったお米」が「譲る米」 「野菜」と「お米」のキューピットは「土壌菌」
今回はそこに、「循環型農業」という今注目されているキーワードをあてはめて考えていきたいと思います。
そうすることで、「譲る米」の魅力を、さらにお伝えできるからです。
◇◇◇◇◇◇◇◇
【目次】
1.循環型農業
①力学的エネルギー保存の法則
②栄養学的エネルギー保存の法則
③「栄養学的エネルギー保存の法則」の維持
④出た分を補う
(1)出た分を補完
(2)あえて「栄養」ではなく「エネルギー」
(3)遠赤外線だっていろいろ
(4)「健康有効波」「生育光線」も、遠赤外線
(5)土の中だってこれからもっと解明される
(6)「現代科学の枠では括れない栄養分」があるのでは
(7)豆類の根につく根粒菌だって
(8)稲にも似たような関係性のものがあるのでは
(9)土壌菌たちへの期待とドキドキ
⑤循環-下肥-
⑥循環-牛糞、豚糞、鶏糞-
⑦循環-竹など-
⑧循環-廃棄野菜や果物などの食物残渣-
(1)食品ロス(612万トンもの食品が廃棄)
(2)規格外野菜を含めるともっとある食品ロス
2.今の時代と、それぞれの循環型農業
①牛糞、豚糞、鶏糞などを用いた堆肥や肥料
②竹を用いた堆肥や肥料
③ぼかし肥料
④廃棄野菜などの食物残渣を用いた肥料
3.今の時代にあった循環型農業
◇◇◇◇◇◇◇◇
1.循環型農業
それでは、まず、「循環型農業」とは、何でしょう?
「循環」している農業の事です。
何が循環しているのか、というと、
それは、「エネルギー」です。
①力学的エネルギー保存の法則
イメージは、エネルギー保存の法則です。
「何やら昔聞いたことのあるような、ないような」
「エネルギー保存の法則」とは、
エネルギーの形態が変わろうが、そのエネルギーの総量は常に同じという事です。
エネルギーの総量は、「常に一定不変」であるというどえらい方が見つけた法則です。
「エネルギー不滅の法則」とも言います。
例えば、というか、よく書かれている話としては、
「位置エネルギー」の関係と「運動エネルギー」の関係です。
エネルギーの形態が「位置」→「運動」へと変わります。
振り子やジェットコースター、ボールを落とした時などのエネルギー形態の変化です。
ボールを高い位置に持ち上げた時、位置エネルギーはMAXとします。
その際ボール自体に動きはないので、運動エネルギーはゼロです。
ボールを落とすと段々低くなるので位置エネルギーは、小さくなります。
その際、落下スピードは増しているので、運動エネルギーは大きくなります。
ボールが地面に付くその時、床からの高さがゼロなので位置エネルギーはゼロとなります。
その際、マックススピードの落下速度のついた最高潮のボールは、運動エネルギーがMAXであると考えます。
この間、位置エネルギー」と「運動エネルギー」を足すと、常に一定と考えます。
これを「力学的エネルギー保存の法則」とも言います。
形態が変わるだけで、「無」から「有」という事はなく、結果が「有」という事は、事の始まりである原因も「有」だったという事です。
原因が「無」なら結果も「無」です。
エネルギーない所に、結果としてエネルギーは当然あり得ません。
エネルギーがあったという事は、もともとエネルギーがあったという事です。
これは、物理学というか、力学的というか、その分野の話で、私にとっては畑違いの分野です。
あっすみません。米農家なので、「田んぼ違い」でした。
少し回りくどいお話でしたが、農業も同じです。
田んぼのエネルギーも同様です。
形は変わるけど、一定量のエネルギーがあると考えます。
②栄養学的エネルギー保存の法則
田んぼのエネルギーは「栄養」です。
この「栄養」を軸に考えてみると、畑でも田んぼでもいいですが、農作物を育てたとします。
それを収穫せずにそのまま耕せば、来年また同じ量の農作物が育ちます。
そう大雑把に考えるのが、田畑での「栄養」「エネルギー」の考えです。
「栄養学的エネルギー保存の法則」とでも仮にいいましょうか。(笑)
でも、盲点があります。
「力学的エネルギー保存の法則」といいましても、実際は、空気抵抗、摩擦、衝撃吸収などで、エネルギーが減ってしまいます。
だからボールを落としても、同じ高さまで戻ってきません。
エネルギーを奪われたからです。
でも奪われたエネルギーも形が変わり目に見えないだけで、足せば、総和は同じになるようです。
農業もこの摩擦と同じように、栄養というエネルギーは分散されてしまいます。
なぜかというと、「収穫」があるからです。
気化したり、雨水に交じり流れ出るという事もありますが、一番は「収穫」による栄養の国外追放です。
田畑の外へ、収穫されたものが出され、その際、栄養エネルギーも外に出されます。
当然、光合成や川の水、雨などによって入ってきた栄養分もあり、プラスされた分もあるかもしれませんが、一番の栄養のたまったエネルギーの塊を田んぼの外に持ってかれるのです。
田んぼ内の栄養エネルギーは、その分大きく減ります。
そのまま翌年、農作物を育てても、前年度のように同じく育ちませんし、実もなりません。
③「栄養学的エネルギー保存の法則」の維持
ですので、農業では、田んぼの外にもっていかれた栄養エネルギーの代わりに、別の栄養エネルギーを入れます。
それが、The「肥料」です!
そのために肥料があるんです。
「何を当たり前のことを!!」
と怒られるかもしれませんが、これが難しい所。
抜けた栄養エネルギーを的確に把握し、抜け出た分だけ補わなければならないんです。
例えば、
前年、ちょうどよい生長、収穫量だったとします。
そうしたら翌年、肥料エネルギーをやりすぎれば、
そのエネルギーが膨大な故、生長に異常が出て、茎だけ伸びて実がならなかったり、倒れてしまったりします。その上、虫がわいたり病気にもやられやすくなります。
逆に少なすぎても
栄養失調で、実が大きくならなかったり、収穫量が減ったり、元気がなく害虫にやられたりします。
ちょうどいいバランスで栄養エネルギーを補足し続けることは、本当に難しいことです。
これこそ、「子供でも知っている理屈なれど、お爺さんになってもなかなか実践は難しい」という農業の難しい所です。
その抜け出た栄養エネルギーを把握し、バランスよく補足するために、今の農業の技術があります。
ハウス栽培や、水耕栽培が、特にわかりやすい栽培方法です。
今、化学的に栄養のバランスを調べてから、化学肥料でその不足分だけを補う技術もあります。
農家にとって大切な事は、
「その年だけたくさん収穫できてよかった!」
という事ではなく、
「毎年毎年、安定した品質、安定した収量を確保できること」です。
農業にとって「栄養学的エネルギー保存の法則」がものすごく大切な事が分かって頂けましたでしょうか。
私の場合、お米農家ですから、田んぼの中に「栄養学的エネルギー保存の法則」を維持しなければならないのです。
④出た分を補う
(1)出た分を補完
ここまで、何やらかんやら、難しそうな言葉を使って、私自身も分かってか分からずか、おそらく理解してないんだろうなという中で、それなりの小見出しをつけてやってきましたが、
(こんな小見出し↓)
①力学的エネルギー保存の法則
②栄養学的エネルギー保存の法則
③「栄養学的エネルギー保存の法則」の維持
一言で言えば、「出た分を補う」という事なんです。
「最初からそう言えよ!」のお叱りが聞こえてきます。
大したこと書いてないけど、これだけでも変な知恵熱が出そうです。
(2)あえて「栄養」ではなく「エネルギー」
ただ、「循環」という意味を考えた時、エネルギーに置き換えてイメージして頂いた方が、分かりやすいのかなぁと思って、書きました。
「栄養」という言葉でもいいのに、あえて「エネルギー」という言葉を使ったのは、
「微生物が有機物を分解した際に生じる代謝物は、現代科学の枠では括れない”栄養分やエネルギー”」があると私も感じているからです。
ですので、感覚的に「エネルギー」の方が適しているように感じます。
(3)遠赤外線だっていろいろ
例えば、「遠赤外線」という言葉はよく知られています。
七輪で調理すると「遠赤外線」の力で美味しくなるとか、こたつの温かさも遠赤外線で温かいとか、この電気ヒーター「遠赤外線」がでて気持ちいいとか、いろいろな場面でよく聞きます。
健康機器や、健康器具などの健康グッズにもよく使われているキャッチフレーズです。
このネックレス、ブレスレットから「遠赤外線」が出てて、健康にいいとか、何とか。
(4)「健康有効波」「生育光線」も、遠赤外線
選ぶ際には「波長」がポイントとなります。
遠赤外線の波長域は、3~30μm(マイクロメートル)と言われますが、その中でも、私たちの健康に有効な波長域があるということが分かってきました。
ですのでその波長域の遠赤外線の事を「健康有効波」とか「生育光線」とか区別して呼ばれます。
「蟹工船」とか「国高専」「ごくせん」ではないので気をつけてください。
変な事を言って、「すみません」。
「健康有効波」とか「生育光線」と言われるのは、3~30μmある遠赤外線の中、わずか6~14μmの波長域の事を指します。
私たち人間も含めた36.5~37.0℃の温度をもつ有機物から放射される遠赤外線の波長(一番多く出ている波長域)が、だいたい9μmと言われます。
そう思うと、「健康有効波」とか「生育光線」と言われる遠赤外線の波長域が6~14μmと言われるのも納得がいきます。
ですので、健康にいいとされるネックレスなどを買う時は、遠赤外線の波長域を確認し、6~14μmのものを選んだ方が理論的にはいいようです。
ただ「病は氣から」とも言われますから、気に入ったデザインのものだったら案外いいのかもしれません。
(5)土の中だってこれからもっと解明される
この話で何をお伝えしたいかといいますと、
遠赤外線ですら、大雑把な「遠赤外線」から「育成光線」という様に、だんだんと明らかになってきました。
土の中の環境だって同じ、だと思うのです。
今わかっている栄養だけが、生物、農作物の生長に関係しているとは思えないからです。
もし栄養だけで栽培が出来るのなら、大型の工場の中で野菜や果物やお米がもっともっと栽培されているはずです。
いまだ解明されていない、人為的に整えられないものがあるから、工場農業と言われていても、なかなか実現ができないのだと思います。
(6)「現代科学の枠では括れない栄養分」があるのでは
よって、繰り返しますが、「栄養」という言葉でもいいのに、あえて「エネルギー」という言葉を使ったのは、
「微生物が有機物を分解した際に生じる代謝物は、現代科学の枠では括れない”栄養分やエネルギー”」があると私も感じているからです。
ですので、感覚的に「エネルギー」の方が適しているように感じています。
(7)豆類の根につく根粒菌だって
「現代科学の枠では括れない”栄養分やエネルギー”」をつくり出す、その役割を担っているのが、土壌菌群(土の中の微生物)と考えています。
栄養を作り出すだけではなく、土の質を団粒構造に変えてくれることでよく知られている、良い働きをしてくれる菌に、根粒菌がいます。
根粒菌は、「バクテリアの一種」で、「根粒細菌」や「根粒バクテリア」とも呼ばれます。
「バクテリア」「細菌」という名称を聞くだけで、悪いイメージを持たれる方があると思いますが、土の中だって、良い奴も、悪い奴もいるということをこの機会に知って頂き、「バクテリア」「細菌」に対する抵抗を少しでも取り去ることができればいいな、と思っています。
根粒菌で誤解されている点は、彼らが豆類にとってよい働きをしてくれるのは、豆類が生きている間だけということが知られていないことです。
豆類とギブアンドテイク関係の間だけ、豆類にとって特に良い働きをしてくれます。
通常、植物は根からしか窒素を吸収できませんが、この根粒菌は空気中の窒素を吸収して直接マメ科の植物に渡してくれます。
豆類が枯れ活動を停止すると、契約が切れた契約社員のように、この活動をしなくなります。
つまり共生関係です。
どんな共生関係かといいますと、
≪豆から根粒菌に与えるもの≫
◇住処とご飯
根粒菌が、マメ科の根に押し入り、根粒という器官(家)を根に作ります。
大家さんであるマメ科の作物が光合成を行い、光合成産物(ショ糖をリンゴ酸に分解したもの)を根粒菌に与えます。
≪根粒菌が豆に与えるもの≫
◇ご飯
根粒菌は、光合成産物(リンゴ酸)を利用して、空気中の安定した窒素をアンモニアに変える窒素固定という働きを行い、大家さんであるマメ科の作物に、固定した窒素を与えます。
ぶっちゃけ「与える」というよりは、「横取り」「強奪」されているようですが。
つまり、ギブ&テイクの関係で、「炭素(リンゴ酸)」と「窒素(固定窒素)」を物々交換している栄養共生の関係です。
(8)稲にも似たような関係性のものがあるのでは
マメ科の植物と根粒菌の、栄養共生の関係のように、稲にも似たような関係性の土壌菌があるのではないかと考えています。
根粒菌のような、根に入り込んで、みたいな大胆な形ではなく、土壌菌たちの量とバランスが整ったとき、はじめて稲にいい影響を与える行動を起こしてくれるとか、あるのではないかと思っています。
(9)土壌菌たちへの期待とドキドキ
今、土壌菌(土の中の微生物)が多い環境で育った作物の中には、より多くの微生物が、作物の中で共生していることが分かってきています。
植物内で共生する微生物の事を「エンドファイト」と呼びますが、その役割もだんだんとわかってきています。
そういう事が分かると、今の段階でできる確かな事は、「土壌菌」を増やしてやることです。
それも安全な力のある「土壌菌たち」をです。
土壌菌は群れで初めて、良い働きができます。土壌菌たち同士で助け合い、ミミズなどの小生物とも共同で効率よく働いてくれます。
その土壌菌群の生み出すもの、「微生物が有機物を分解した際に生じる代謝物」ともいいますが、そこに「現代科学の枠では括れない”栄養分やエネルギー”」があると期待し、それが解明されることを願っています。
それでは、土壌微生物などの発酵分解作業により、循環されるべき有機物にはどんなものがあるのでしょうか。
見ていきたいと思います。
⑤循環-下肥-
下肥と書いて、「しもごえ」と読みます。
これは、人の糞尿を肥料として使う場合に使います。
こんな話を聞いたことがあります。
昔、お殿様が、ある時とても野菜が美味しかったので、その秘訣を聞いた。
「下肥を使っていますから」
という秘訣を聞いたお殿様、もっと美味しくしたかったからか、
「ここに下肥をかけてまいれ」
と家臣に命じたというお話でした。
今のように肥料がない時代、人間の糞尿を田畑にまいていたそうです。
私は、大学時代に古文書を専攻していたので、教授に教えてもらった事です。
時代劇などでは街中はきれいになっていますが、当時は、下肥確保のために、糞尿を集めていたので、そこら中に糞尿が落ちていたそうです。
今みたいにしっかりとした袋がなかったので、藁に包んで荷車で引いていたそうですが、所詮はワラ。その隙間からこぼれているのが日常茶飯事だったようです。
街中が汚かった話として、下水道のなかった中世のヨーロッパの話を聞きますが、日本も似たり寄ったりだったそうです。
ただよく考えると人糞を使うのは、これでもかというぐらい、理にかなっています。
日本人の主食はヒエ、アワも食べていたかもしれませんが、米です。
「食べた米が異なる形で出てきたものが『糞』」です。
田んぼから抜き取られた栄養を、人糞をもみ殻と混ぜてまくことで、ペイできます。
出た分をそのまま田んぼにお返しする。理想的な形です。
しかも、米以外の野菜などの残りカスや腸内細菌も一緒にプラスして戻せるので、バッチしです。
人の糞尿は、病原菌のリスクもあるので、衛生上の問題で今は肥料として使われませんが、当時は重宝なものでした。
⑥循環-牛糞、豚糞、鶏糞-
人糞の次には家畜糞が使われるようになりました。
家畜糞といっても主に、牛糞、豚糞、鶏糞などです。
それぞれ、栄養分が違い、窒素分が多かったり、石灰分が多かったり、農作物や田畑の状態によって使い分けするようになりました。
肥料分のみならず、酪農が盛んになり、その糞尿の処理の問題もあり、再利用するためにも、肥料として使われています。
ただ問題もあり、しっかりと発酵完熟させないと、土だけでなく環境をもダメにし、水質にも悪影響を与える場合があります。
⑦循環-竹など-
竹チップなどの炭素資材を適切な割合で土に混ぜ、炭素と窒素の割合を一定に保つことにこだわった農法です。
細かく粉砕した竹などを土に入れ、炭素を循環させることに着目していますので、「炭素循環農法」とも言われます。
特に「炭素循環農法」という場合は、化学肥料や農薬すら使わない農法を指すようです。
炭素と窒素の割合を一定に保つことで、土壌菌を活発化させることも狙っているようです。
イメージとしては、
「自然栽培」+「窒素」「炭素」=「炭素循環農法」
「自然栽培」+「有機肥料」=「無農薬有機農法」
この様に比較するとわかりやすいですかね。
シンプルに書きましたが、もっと奥の深いもので、手間暇をかけながら試行錯誤で取り組まれているようです。
⑧循環-もみ殻、米ぬかのぼかし-
稲の栽培工程や精米工程で出たものを混ぜて、堆肥という名の肥料を作ること。
つまり、もみ殻や、米ぬかを混ぜて腐敗促進させたものです。
⑨循環-廃棄野菜や果物などの食物残渣-
食品ロス問題が問題になっている昨今。
SDGsという言葉が有名になり、改めて注目されています。
町内でも、回覧板でこんな内容のものが来ました。
家庭の生ごみを乾燥させて少量化する炊飯器ぐらいの大きさの機器を買うと一部助成金でまかなえる。
助成金が出るほど今、力を入れているのが、ただ捨てられてゴミになるはずだった食品の再利用。
(1)食品ロス(612万トンもの食品が廃棄)
食品ロス、フードロス、と言葉は聞きますが、一体どれだけのロスがあるのでしょうか。
ちなみに食品ロスとは、捨てられている食品の事なのですが、大事なのは、「まだ食べられるのに」という所。
ちょっと調べてみました。
農林水産省の平成29年度のデータによると、日本では、年間で、612万トンもの食品が、廃棄されているようです。
問題は、「まだ食べられる状態で」です。
内訳としては、各ご家庭で、賞味期限や、食べ残しで捨てているのが年間284万トンらしいです。(どうやって調べたんだ?)
また、製造過程で捨てられているのが、年間328万トンらしいです。
【家庭】284万トン+【製造】328万トン=【まだ食べられる食品ロス合計】612万トン
スゴイ単位で想像もできませんが、莫大であることが分かります。
(2)規格外野菜を含めるともっとある食品ロス
だけどもっと大きな問題は、この中には、出荷前に捨てられている規格外野菜は含まれていません。
つまり、もっと食品ロスがあるという事です。
規格外野菜はどれくらいあるかといいますと、
農林水産省のデータによると平成30年の野菜(41品目)の収穫量は、約1340万トン。実際の出荷量はというと、1150万トン。
その差額は、
【収穫】1340トン-【出荷】1150万トン=【廃棄(推定)】190万トン
この190万トンの中には、個人消費や、一般のルート以外に流れていったものもあるかと思いますから、もう少し減っているかもしれませんが、食品ロスの量を大雑把に推測してみると、
【規格外野菜の食品ロス】190万トン+【まだ食べられる食品ロス】612万トン=【食品ロス】802万トン
算出の元データの年度が違ったり、推測の数値だったりで雑な計算ですが、日本では、年間800万トンの食品ロス、フードロスがあるようです。
何にしても単位がすごすぎてイメージがわきませんが、ただ、「このままではいけない」という事は、分かります。
こういう事を知られた農家の方、家庭菜園の方から、廃棄野菜を含めた食物残渣を再利用した肥料を使う方が少しずつ増えてきているようです。
2.今の時代と、それぞれの循環型農業
今までの、過度の化学肥料栽培、農薬農業のしわ寄せが、「地力の低下」「土質の劣化」などの問題となり、今問題になってきています。
ですので、推進される栽培方法に、「環境負荷の低減」「環境保全型の農業」などの言葉が目立つようになりました。
特に今は、SDGsの意識高まり、世界規模で取り組んでいます。
先に挙げた循環型農業の形態は、その一部ですけども、今の時代に合っているのは一体どんな循環型農業なのか。
それに対する私の答えは明快です。
「その人その人の環境・立場での精一杯」
これにつきます。
人糞は今の時代論外ですが、牛糞、豚糞、鶏糞、竹、食品残渣、廃棄野菜をあげましたが、側にないものではやろうにもやれません。
牛舎が側にあり、牛糞の堆肥を作る施設が側にあればいいですが、なければやろうにもできません。
離れた所から仕入れようとしても、環境の前にコストが合わずに、火の車になります。
ですから、「その人その人の環境・立場での精一杯」の循環型農業を目指すことが大切だと思っています。
牛糞、豚糞、鶏糞、などの家畜の糞尿は、必ず出るものですから、誰かがどこかで消費しなければなりません。
堆肥として肥料として使う人がいなければ、行き場を失い、それこそ処分に困ります。
「その人その人の環境・立場での精一杯」は、大前提として、私にできる循環農業を紹介します。
自分に合った循環型農業こそ、その人にとっての真の循環型農業になります。
①牛糞、豚糞、鶏糞などを用いた堆肥や肥料
私にとっては、牛糞、豚糞、鶏糞、は少し難しいものです。
発酵加減が難しいからです。
牛糞堆肥は、割と近くの施設で作っていますので、使う事は可能なのですが、いろいろとできない点もあります。
(1)発酵加減
ちゃんと完熟発酵できているかが、心配なのです。
少しアンモニア臭があるように思われるので心配になります。
ちゃんと製品化されて販売されているものなので大丈夫だろうとは思いますし、私だけがそう感じているだけなのかもしれません。
ですが、自分の納得できていないものは使えません。
(2)撒けない
撒く時には技術や機械が必要となります。
その両方ともないので、出来ません。
牽引の免許は持っていますが、狭い農道などがあり、全ての田んぼにまけるかというと、それは難しいです。
均一の品質で育てなければならないので、あこは撒いてないけど、そこは撒いてある、では、お米の品質や味が変わる恐れがあります。
そういった意味でも弊社では難しいです。
②竹を用いた堆肥や肥料
竹チップなどを用いた循環型農業はどうかというと、これも難しいです。
(1)側にない
まず側に竹を大量に仕入れる所がない、といいう事です。
(2)チップにする術がない
竹を粉砕し、チップにする機器や経験がありません。
(3)炭素・窒素を計算する術がない
竹チップと藁などを混ぜた際に、その窒素成分、炭素成分を計る機器が必要となる。
また、それを使用する圃場の土の成分も調べなければ、不足分が分からないので、計測する機器や、判断する経験が必要となる。
こういった事を含めて、炭素・窒素を計算する術がない。
(4)発酵加減
発酵加減はどうなのだろう。
竹のチップを見たことがないので、想像するしかないけれど、均一にできるのかなぁ、と。
少しあらあらな感じがするので、均一にするのには少し技術がいるのかも。
③ぼかし肥料
(1)水管理もできる、広い場所
この作業をする時には、雨が当たらない、広い場所が必要になる。
米糠ともみ殻、適度な水分を与えて混ぜると発酵が始まる。
難しいのはその後の管理なんです。
温度が上がりすぎてもダメだし、温度を計りながら様子を見ながら、水を適度に加えながら、酸素が行き届くように、こまめに混ぜなければならない。
失敗するとアンモニア臭が立ち込め、使い物にならなくなる。
(2)健康面
かといって成功していても、独特な臭いが体に染みつくことはもちろん、菌が菌糸を出したりするので、空気ごとそれを吸うので、あまり肺にいいとも言い切れない。
(3)発酵加減
また、窒素分をどれだけ残すのか、とかで発酵を途中で止めたりしなければならないし、何しろその加減が難しい。
田んぼに均一にまくのは、これまた機械も腕前も、量も必要となるので、課題がたくさんある。
(4)何からとれた米糠、もみ殻かが大切
また、あまり知られていないが、米ぬかやもみ殻はどんなお米からとったものかも大切になる。
ぼかしは、無農薬栽培、自然栽培などで使われやすいが、やはり無農薬、自然栽培で育ったお米のものを使わなければ、なんか違う気がする。
無農薬、自然栽培で育ったお米のもみ殻、米ぬかを一体どれだけ集められるのか、ここも抜かせないポイントです。
④廃棄野菜などの食物残渣を用いた肥料
(1)病気の菌が入り込めない
◇「廃棄野菜」と、水分調整のための「米糠」、バチルス属の46種類の菌が集まった「複合菌」を6時間攪拌粉砕する。
◇腐熟促進のため、75℃の温度で発酵させながら、約10時間、加熱攪拌粉砕する。
◇熱を抜くため、約8時間制却攪拌粉砕する。
この工程があるため、病原菌や害虫の卵は死に、安全な有機肥料となる。
(2)均一に土壌菌や、有機物を散布できる
複合菌を入れ、攪拌粉砕する工程のおかげで、廃棄野菜が粉末状になり、全体に複合菌が混ざるので、散布した時にも均一になりやすい。
つまり、肥料分としての働き、土壌菌の活躍が田んぼのどこに行っても、均一に行われやすい。
(3)土壌菌そのものを入れるから、すぐに土づくりが始まる
これが凄い所。
家畜の糞尿や、竹の場合、また、自然栽培、ぼかしの場合でも、微生物が増えるのを待たなければならない。
時間的ロスがある。
失敗したら微生物が増えないか、最悪、病原菌や悪い菌が優位に立つこともある。
それが、廃棄野菜などの食物残渣用いた肥料を、この工程で作れば、この問題は解消される。
栄養のバランスや、微生物の量、バランスをコントロールできるのも見逃せない大切なポイントです。
(4)食品ロスを減らせる
これも大きなポイント。
焼却処分していた野菜を使うから、無駄がない。
もともと栄養のあるものを使用しているから、化学的に合成する必要もない。無駄な作業がいらないのと、化学的に合成されたものを入れる必要がない。
今の世界挙げての取り組みに参加できる。
3.今の時代にあった循環型農業
①牛糞、豚糞、鶏糞などを用いた堆肥や肥料
②竹を用いた堆肥や肥料
③ぼかし肥料
④廃棄野菜などの食物残渣を用いた肥料
循環農法と思われるものを考えてみた上で、今私が取り組んでいるのは、
④廃棄野菜などの食物残渣を用いた肥料
を使った農法、「譲る米農法」です。
「廃棄野菜」と聞くと、「栄養のない残りカス」みたいなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、そんなことはないんです。
それどころか、すごい、凄いんです!
そうそう、こんなイメージをして頂くとわかりやすいかも。
それは、ドライフルーツ。
干したら、水分は飛んで小さくなり損した気持ちになるけれど、その分旨みと栄養が凝縮されて、一口含むだけで、何とも言えない幸せ感というかエネルギーが口の中を突き抜ける。
野菜も同じ。
廃棄野菜も同じ。
複数の野菜やら果物やらを腐熟させながら、乾燥させるから、とてもジューシーな栄養量とバランスになる。
ちなみに、どれだけ食品ロスの削減に貢献できているかというと、
その肥料100㎏作るのに、
◇野菜くず:430㎏
◇米糠 :100㎏
原料の合計は、530㎏です。
それが肥料になると、わずか100㎏になります。
ですので、この肥料を1,000㎏(1トン)作るためには、
◇野菜くず:4300㎏
◇米糠 :1000㎏
原料の合計は、5300㎏です。(5トン)
5トンの野菜といったらかなりの量です。
つまりこの肥料を使えば使うほど、
ただ焼却処分をしていただけの野菜が生かされ、次の農作物のエネルギーへと引き継がれます。
野菜の生命力を、次世代の稲に繋げる、「命の継承」。
それが、廃棄野菜を再利用した肥料の凄さであり、価値です。
人の命の大切さは、問題にされます。
人と比べれば、「命」の見え方は違いますが、野菜などにも生命力があります。だから成長します。
私はそのように考え、栽培に臨んでいます。
その野菜や農作物の「命」を、次の命に繋げてあげる。
それが農家の役目でもあると思います。
ただ農作物を作るのでなく、その生命力を次に繋げてあげる。
そのタスキ渡し役、それが農業従事者の本当の役割、使命でないかと思っています。
少なくとも私は農業に携わるうちは、そういう想いでいたいと思っています。
野菜や農作物の「命」。
育つための「生命力」。
育つ間に複雑に行われる「エネルギー」代謝と生産。
降り注ぐ太陽の無限のエネルギーを変換し作り出される「パワー」。
私たちの体を形作ってくれる、その「栄養」。
そんな宝を、ただ焼却処分するのでは、申し訳なさすぎる。
ただひたすらにもったいない。
せっかく生かせる方法があるのに。
方法がないなら仕方がないけれど、方法はあるのだからしない手はない。
今、世界あげての環境問題への取り組みが始まりました。
SDGsはその中心の方針となっているように感じます。
その中で、農家である私が出来る事。
それは、食品ロスの削減をし、農作物のエネルギーを循環させ次の農作物に循環させてあげる事。
そのために、私が取り組み始めたのが、
廃棄野菜を再利用した肥料を使ってのお米づくりです。
実はそれだけだけではなく、うちの更なるこだわりとして、やっていることが、
土の中の微生物、土壌菌を改善していくという事です。
疲れ切った土を生き返らせてあげる。
野菜の命を、稲に繋げる、
のと同時に、
生きた土を、次世代の農業従事者に繋げる。
土が変われば、水も変わります。
ということで、
私にとっての、今できる「真の循環型農業」は、
廃棄野菜を利用した肥料で育てたお米、
「野菜が育てたお米」
です。
野菜とお米を繋げてくれるのが土壌菌なので、
「土壌菌が育てたお米」
でもあります。
こういった栽培方法をすることによって、
農業従事者は栽培を通し「地球環境に貢献」し、
食べて頂いた方も自ずと「環境保全の取り組みに参加」できる、
そんなお米作りをしていきたいと思います。
そんなSDGsの取り組みに関われている、ドキドキするような夢いっぱいのお米はコチラです。
【譲る米(コシヒカリ)】
「えっ!これもコシヒカリ?」と驚かれます。
【譲る米『夢』(夢ごこち)】
炊き立ても、冷めても、2度美味しい不思議なお米。
「えっ、冷めてから食べるとまた別の美味しさがある!本当に同じお米?」
そのモッチリ感、旨み、一度食べると抜け出せなくなります。
「コシヒカリ」と「夢ごこち」を交互に食べられる方も多いです。
「コシヒカリ」5㎏食べたら「夢ごこち」5㎏食べて、また「コシヒカリ」5㎏食べる、というようにです。
(私もその一人です)
ぜひ一度お試しを! そして、楽しい米活を!
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written by てぃ
こんにちわ。
趣味で野菜を作りたいといろいろと考えています。
そのまま食べても甘いニンジン。
軽く焼いて食べるだけで美味しいピーマン。
だしをかけてレンジでチンするだけで美味しいオクラ。
トロトロの液のでる下仁田ネギ。
とれたてをその場で丸かじりが最高のキュウリ。
そんな思いを巡らしながら日々お米づくりを勉強しています。
「もっとお米のことを考えろっ!」!って叱られそうですが、
美味しい野菜と、美味しいご飯の組み合わせって、最高の栄養源、元気の源って感じがしません?
そんな私が、日常の日々の中で見たこと、思ったことなどを皆さんにご紹介させて頂ければなぁと思っています。
こうやってお米って作られるんだぁ、農家の人っていっつもどんな事してるんだろう?
へー、こんなこともしてるんだぁ!
そういう新たな一面というか、そういう驚き?のきっかけになって頂けたらと思います。
これからもよろしくお願いします。
そんな私が働く「ばんばのお米」のホームページは
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