No.326 2022.11 イネの進化 ~ 3つの遺伝子変異 ~

野生イネに3つの遺伝子変異がそろって起きると種子が落ちにくくなり、そのおかげで米の栽培が可能になった、と神戸大学などの国際共同研究グループが発表しました。稲作の起源については諸説あり、現在では約1万年前ごろとの説が有力です。研究グループによると、栽培化されたイネは雑草である野生イネ由来で、狩猟生活をしていた古代の人々が野生イネから農耕に都合の良いイネを選んだことが栽培化のきっかけだそうです。

その遺伝子とは、脱粒性に関わる遺伝子2つ、穂の開閉に関わる遺伝子1つで、その3つの遺伝子の変異がそろうと種子が落ちにくくなるそうです。

雑草などの子孫を増やしたい植物は、バラバラに種子を散らす方が有益ですが、まとめて収穫したい私たちは熟したまま種子が落ちないもののほうがありがたいですよね。今も狩猟が主流だったら....と考えると、お米農家の一員として、この自然の奇跡とそれに気づいた先人に感謝したいです。