「譲る米」と「譲る米農法」とは、一般的な栽培方法と何が違うの?
Q.「譲る米」と「譲る米農法」とは、一般的な栽培方法と何が違うの?
A.土壌菌を中心に栽培方法を組み立て、土壌菌が頑張れる環境を整え、土壌菌の働きによって、風味豊かな美味しいお米を、稲に作ってもらうことを目的に、設計した栽培方法です。
健康的な土には、健康的な稲が育ち、元気な稲には、エネルギッシュなお米が実る。
そんなパワーあふれるお米を食べた方は、当然元気いっぱいになる。なって欲しいっ!これが込めた想いです。
また、「譲る米」の特徴は、肥料の力で育つというよりも、稲自身の力を引き出し、マイペースで育ったお米を楽しめる!という所にもあります。
こういうと、「土壌菌を中心に」って珍しいのですか?何が違うのですか?と思われるかもしれませんが、ここで全く違ってきますし、珍しいことです。
まず、土壌菌が中心となる様に、特殊有機肥料の中熟肥料を使います。
中熟肥料を使うことによって、新たに田んぼに入れる土壌菌だけではなく、元々いる土壌菌も元気にさせ、共に協力・活躍し、生きた土を作ってもらうためです。
一般的な話を比較に出しますが、
化学肥料では、土壌菌のエサである有機物がないので、土壌菌は増えるどころか、減っていきます。
有機肥料(基本的に完熟)では、元々その土壌にいる菌のエサにはなります。それなら、現状維持、増加に繋がるのではないかと思われるかもしれませんが、実際はそうならないようです。
野菜や果樹の場合はそのようなことになるかもしれませんが、水稲は違ってきます。
それはなぜか?水田にしてしまうからです。水田にしてしまえば、水中は、時間が経つにつれて無酸素状態になっていきます。そうなるとよい働きをしてくれる好気性(酸素のある環境下で正常な働きをしてくれる)の土壌菌が活躍どころか、活動できなくなります。
そして、今の施肥のタイミングは、主に田植え時の水田状態の時です。「エサが来たー!」もつかの間、「うぐっっ!酸素がない、息ができない、、、」となります。
どんなに山海の珍味があっても食べられなければ意味がありませんし、食べるものがいなければ、余剰に食べ物があればあるだけ、それらは腐ってしまいます。腐れば、その分匂いも出るし、ガスも出ます。周りや特に根っこに害を与えます。
この場合、果たして土壌菌はその数や活動の現状維持すらできるのでしょうか?
こういう事もあり、今、分かってきて問題になっているのが、有機肥料でも「地力が落ちる」ということです。
「化学肥料だから地力が落ちる。そんな土で育ったから作物も病害虫の餌食になる。だから有機肥料じゃなきゃダメだ!」
と有機肥料を使用することが増えたそうですが、
「ありゃ?有機肥料を使った初年度は良かったけど、また病害虫の被害が?どうして、、、」
と肩を落とす方が増えてきたそうです。
なので今、炭素循環農法とか、自然栽培とか、微生物資材を使ってとか、土壌菌に目を向ける方が多くなってきました。
それでもまだまだ、稲の分野では、うまくいっているのは、ごくごく一部だと感じます。
少し話がそれましたが、水田になってから有機物を施肥しても、土壌菌が増やせるのだろうか?
3年、5年、10年後を見据えた時に、本当にこのままでいいのだろうか?
と思い、水田中には土壌菌の活動が抑えられ、休眠中に入るならまだしも、死んでしまう土壌菌もあることを想定した上で、それならば、水田となる前に、中熟肥料を入れようと思ったのが、「譲る米」であり、「譲る米農法」です。
つまり、実績のある土壌菌たちを新たに入れるし、それまでにいた土壌菌も活かす。あらかじめ圧倒的に土壌菌を増やしておけば、水田状態になってもその分の土壌菌は多くなる。
稲刈りが終わり、土が乾けば、休眠中だった土壌菌も目を覚まし、すぐにでも活動を再開してくれる!
それを毎年積み重ねていけば、きっとその圃場の土壌菌の数は毎年増えていくに違いない!
そうすれば、土が元気になり、稲も元気になる!元気になれば病害虫の被害も受けにくくなる!そうすれば農薬を使う回数が減り、安心安全、しかも収量もアップする!そんなお米を食べた方は、元気になるに違いない!(なって欲しい!)
そして、何よりも次の世代に、生きた土、元気な土をバトンタッチすることができる!
「土さえ生きていれば、何でもできる!」
そこで、
令和2年産の「譲る米」は、水田になる前の3月に土壌菌入り中熟肥料を入れ、1ヶ月ほど寝かし、
令和3年度の「譲る米」は、前年の10月に土壌菌入りの中熟肥料を入れ、6~7ヶ月ほど寝かしました。
中熟肥料を入れてから、土壌菌による土づくり期間を大幅に増やしたのが、令和3年度産の「譲る米」です。
その後、肥料を与えてはいません。
「譲る米」と「一般的な栽培」との違いですが、施肥の面から見た違いは上記のように違います。
あとは、農薬の使用回数や、その表記の仕方も、栽培履歴が分かりやすいように、透明性の出るように変えました。
農薬の使用回数も、普通の特別栽培米よりも少なくなるように努力しております。
気になる方は下記のブログの記事をご覧ください。
最後に、「譲る米」は、ばんばのお米の中で「どんな位置づけなの?」と思われる方も多いと思います。
肥料からいえば、「自然栽培」と「農薬を使わないこしひかり」の中間に位置するようにイメージしています。
理由は、野菜等と米糠と土壌菌で出来た特殊有機肥料を使うだけだからです。
メインの原料である野菜や米ぬか等は、自然界で育った植物性のもので、それらを再利用しているから、そういう意味合いからです。
「農薬を使わないこしひかり」は、100%有機肥料です。そしてこの肥料は蒔きやすく優秀でよく使われているものです。
だけれども原料は、動物性由来のものと、植物性由来のものを混ぜて作られており、「自然」界の中に、はたして動物由来の肥料分が「自然」に蒔かれるだろうか?というひっかかりもあり、それが悪いわけではないのですが、「譲る米」では、自然界の中での「循環」を意識したいと思い、土壌菌の入った中熟の特殊有機肥料のみを使用しました。
あとは、「匂い」です。特栽米に使う有機肥料の独特な匂いが苦手です。ツーンとするような辛みのあるような、とてもじゃないけど「いい香り!」と言えないものです。
それに対して「譲る米」の特殊有機肥料は、甘みがある、優しい香りがします。
甘みのある香りの方が、甘みのある作物ができると思いませんか?もちろん、理論的ではなく感情論ですが。
ちなみに、自然栽培は「無施肥」と思われている方もいますが、もちろん、ばんばの自然栽培では人の手による施肥は行っていないので無施肥ですが、中には、草の種を蒔いて緑肥としてすき込んで使用したり、もみ殻を蒔いたり、ぼかしを蒔いている所もあるそうです。
これは果たして「無施肥」なの?という疑問が残ります。確かに商品としての肥料は蒔いてはいないのですけど。
でも、どんな理由をつけようとも、肥料分となることに期待して蒔いているのですから。
「肥料でない、堆肥として」だとか、「肥料でなく、土をふわふわにするため」だとか。
「自然」の定義がまちまちなのが、ややこしい所です。
私は正直そういうあやふやな定義が好きではありません。それは食べて頂く方が混乱するからです。
「特栽米」という表現も、結構ふり幅があるので、せめて農薬の使用回数だけでも、もっと明確にしたいと思い先のような表示の仕方に変えました。だって「11回と4回」って同じどころか、全く違いますよね。
こだわりをもっと知って頂きたい!と思っています。
農薬からいえば、「農薬を使わないこしひかり」と「特別栽培米(特裁米」」の中間に位置するイメージで、とにかくこだわっています!
肥料からいえば、「自然栽培」と「農薬を使わないこしひかり」の中間に位置し、
農薬からいえば、「農薬を使わないこしひかり」と「特別栽培米(特裁米」」の中間に位置する、
それが「譲る米」だと思って頂ければ、分かりやすいのではないかと思います。
さらに付け加えるとするならば、ここまでこだわって手間暇かけているのにも関わらず、価格は「自然栽培」「農薬を使わないこしひかり」「ずばぬけ」「夢ごこち」より、お値段を抑え、お買い得になっています!
どんなに美味しいお米であっても、一口食べてみなければわからない。
ぜひ、そういった違いを知った上で、「譲る米農法」で育った「譲る米」をご賞味いただき、微笑みのこぼれる食卓にして頂ければ私たちも嬉しいです。
お米も鮮度そのままの真空パックにてお届けしています!
written by てぃ
こんにちわ。
趣味で野菜を作りたいといろいろと考えています。
そのまま食べても甘いニンジン。
軽く焼いて食べるだけで美味しいピーマン。
だしをかけてレンジでチンするだけで美味しいオクラ。
トロトロの液のでる下仁田ネギ。
とれたてをその場で丸かじりが最高のキュウリ。
そんな思いを巡らしながら日々お米づくりを勉強しています。
「もっとお米のことを考えろっ!」!って叱られそうですが、
美味しい野菜と、美味しいご飯の組み合わせって、最高の栄養源、元気の源って感じがしません?
そんな私が、日常の日々の中で見たこと、思ったことなどを皆さんにご紹介させて頂ければなぁと思っています。
こうやってお米って作られるんだぁ、農家の人っていっつもどんな事してるんだろう?
へー、こんなこともしてるんだぁ!
そういう新たな一面というか、そういう驚き?のきっかけになって頂けたらと思います。
これからもよろしくお願いします。
そんな私が働く「ばんばのお米」のホームページは
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