「農薬を一度しか使っていません」って安心?不安?農薬を1~8回使っている場合もある。
「農薬を一度しか使っていません」って安心?不安?農薬を1~8回使っている場合もある。
かなり衝撃だったようです。
きっかけは少し前に書いた記事、
「農薬を減らす工夫としての種もみの『温湯消毒』が当たり前だと思っていた!、、、らっ!?かなり感動された!それも地下水で」
の中で、ちょこっと触れた所でした。
どんな内容だったかというと、
皆様も、ネット等でこういうセリフを目にしたことがありませんか?
「私は田植え時に、1度しか農薬を使っていません」
お米を買おうと考えて、「どこで、何をかおうかな」とネットで検索をしていたとします。
この栽培履歴の説明を聞いて、どういう気持ちになるでしょうか。
このお米に対するイメージは、どんなものを持つでしょうか。
「このお米、こだわってないなぁ、体に悪そう」と思う方はいないでしょう。
「この農家の方頑張って、こだわって育ててるのね。このお米も安全で、体によさそうで、安心して食べられるわ」
このように、よいイメージを持たれる方が多いと思われます。
だって、農薬の使用回数が、1回だけなのですから。
「ほんのわずかだけ」
通常の使用回数を知らないけれども、1回は少ない様に感じます。
だけれども、実際は、ご本人に確認してみないとわからないのです。
「農薬を一度だけ」の一度の意味が幅広いからです。
具体例を出しながら紹介します。
「田植え時に農薬を一度だけ」とします。
まず知って頂きたいことが、
農薬の入った除草剤をを1袋だけ買ってきて、適量を1回まいたとします。
この場合でも、日本国の掲げる特別栽培米のガイドラインによると、農薬の使用回数とは、有効成分の数ですから、
有効成分が、1種類なら1回、2種類なら2回、3種類なら3回と、たとえ、1袋だけの農薬を一度まいただけでも、有効成分数を回数としてカウントします。
ここは表現のややこしい所ですが、まず知っておいて欲しい所で、考え方の大前提となります。
「田植え時に農薬を一度だけ」ですが、この「一度」の範囲は広いです。
パターンを考えていきます。
①除草対策の農薬と、病害虫対策の農薬をまとめて「一度」といっている場合。
田植え機には、オプションとして、除草対策の農薬をまく機器と、病害虫対策の農薬をまく機器を取り付けることができます。
そうすると、「除草対策の農薬」と、「病害虫対策の農薬」を、まとめて「一度」にまくことができます。
この際使う「除草対策の農薬」に含まれる有効成分数は、だいたい2~4種類のものを使う場合が多いです。
「病害虫対策の農薬」に含まれる有効成分数は、だいたい3~4種類のものを使う場合が多いです。
もちろんその土地の個性によって対策が変わるので、いろいろなパターンがあります。
これはあくまで例としてです。
「除草対策の農薬」+「病害虫対策の農薬」=「一度の農薬の使用回数(成分数)」
(2~4成分) + (3~4成分) =「5~8成分(回)」
つまり、除草対策の農薬と、病害虫対策の農薬をまとめて「一度」といっている場合は、農薬を5回分、6回分、もしかしたら8回分使っているかもしれません。
最大値からいうと、「田植え時に農薬を一度だけ」は、「1回」とはいいながら、なんと「8回」の場合があるのです。
さてここでお尋ねします。
「1回」と「8回」どちらの方が、安全でこだわっていると感じますか?
②除草対策の農薬を「一度」といっている場合。
この際使う「除草対策の農薬」に含まれる有効成分数は、だいたい2~4種類のものを使う場合が多いので、
これはあくまで例としてですが、
「除草対策の農薬」=「一度の農薬の使用回数(成分数)」
(2~4成分) =「2~4成分(回)」
つまり、除草対策の農薬を「一度」といっている場合は、農薬を2回分、もしかしたら4回分使っているかもしれません。
最大値からいうと、「田植え時に農薬を一度だけ」は、「1回」とはいいながら、まさかの「4回」の場合があるのです。
さてここでお尋ねします。
「1回」と「4回」どちらの方が、より安全だと感じますか?
③病害虫対策の農薬を「一度」といっている場合。
除草剤をまかずに病害虫の農薬だけ使用するというのは、ほとんどないと思われます。
米作りにおいて、水田の雑草の方が、対応が大変だからです。
一応、その場合も考えてみたいと思います。
この際使う「病害虫対策の農薬」に含まれる有効成分数は、だいたい3~4種類のものを使う場合が多いので、
これはあくまで例としてですが、
「病害虫対策の農薬」=「一度の農薬の使用回数(成分数)」
(3~4成分) =「3~4成分(回)」
つまり、病害虫対策の農薬を「一度」といっている場合は、農薬を3回分、もしかしたら4回分使っているかもしれません。
最大値からいうと、「田植え時に農薬を一度だけ」は、「1回」とはいいながら、まさかの「4回」の場合があるのです。
さてここでお尋ねします。
「1回」と「4回」どちらの方が、より安全だと感じますか?
上記の①~③で、「田植え時に農薬を一度だけ」の「1度」のシチュエーションを考えてきましたが、いずれにしても、農薬としてはあるかもですが、田植え時のタイミングで、現実的に、農薬使用回数1回(1成分)のものはほとんどありません。
実際に、田植え時の水田用の除草剤で少ないものはないかと探した所、やはり成分数が2種類のもので、農薬使用回数2回に該当するものはありましたが、1種類のものは見つけられませんでした。
探せばあるかもしれませんが、農薬使用回数2~4回のものが実践的で現実的だと思います。
では、「田植え時に農薬を一度だけ」の「1度」というのは何回の事なのか?
おそらく農薬使用回数2回以上だと思われますが、これはもう、ご本人に聞くよりほかは、知る術がありません。
最大値で農薬を使ったと仮定すると、上記の考察のように、「田植え時に農薬を一度だけ」は、「1回」とはいいながら、なんと「8回」の場合があるのです。
この回数のカウント方法は特別栽培米の時のカウント方なのですが、ここからが大事でして、想像して欲しいのです。
あなたはネットショップにお米を買いに来ました。
特別栽培米を買おうと思います。
金額はA店、B店同じで5㎏、4,000円です。
【A店の特別栽培米】
「うちの特栽米の、農薬使用回数は、4回です」
【B店の特別栽培米】
「うちの特栽米は、農薬を1度だけ使っています」
さて、2つのお店は金額は同じです。
A店とB店、どちらのお米を、買いますか?
どちらのお米が安心できますか?安全だと思いますか?
どちらの方がこだわって努力していると感じますか?
さて、あなたは、どちらのお店でお米を買いますか?
きっとB店で買われる方が多いと思います。
これはこんな場合もあるということでの、可能性の問題の想像のお話ですのでご了承ください。
では、きっちりと国の特別栽培米のガイドラインにのっとって農薬の使用回数をカウントしていきます。
(このお米の生産県の特別栽培米の農薬使用回数の基準は、11回以下とします)
【A店の特別栽培米】
「うちの特栽米の、農薬使用回数は、4回です」
[田植え時] + [6月] =[農薬使用回数]
除草目的3成分 + 除草目的1成分 = 4回分
【B店の特別栽培米-パターン①】
「うちの特栽米は、農薬を1度だけ使っています」
[田植え時] =[農薬使用回数]
除草目的4成分 = 4回分
【B店の特別栽培米-パターン②】
「うちの特栽米は、農薬を1度だけ使っています」
[田植え時] =[農薬使用回数]
除草目的4成分 + 病害虫目的4成分 = 8回分
この結果をみるとどうでしょう。
ちゃんと特別栽培米の基準内で育てているから、特別栽培米として販売できます。
「うちの特栽米は、農薬を1度だけ使っています」
このキャッチコピーは間違いではないのですが、何か引っかかります。
【B店の特別栽培米-パターン①】の合計4回の場合ならまだしも、【B店の特別栽培米-パターン②】の合計8回の場合だとしたら、まじめなA店がかわいそうに見えてきませんか。
真面目に、国のガイドラインにのっとって、消費者の混乱を避けるために、正直に表示しているのにも関わらず、A店の方がバカを見ているように感じてしまうからです。
「げ、解せぬっ!!」
侍ならきっと、こう言うでしょう。
特別栽培米でなければ、そういうカウント方法の縛りもないので、自由に表現すればいいことなのですが、少し引っかかる所です。
なので、私は、「譲る米」というお米で新たなチャレンジをすることにしました。
不平不満を言っていても仕方がない。まずは行動に移すのみ!
消費者の方が、お米を選ばれる際に、本当の意味で、その方にとっての安心安全の基準に合ったものを探せるようにしようと。
なので、特別栽培米なんだけども、「特別栽培米」の名乗りは表に出さずに以下の表を付属して紹介しています。
①まず石川県の慣行栽培の農薬の使用回数の数字と特別栽培米の数字を明確に示して、「譲る米」の農薬の使用回数を明示する。
これは、農薬に含まれる有効成分の数の合計です。
ここは勘違いしやすい所です。私も最初、除草対策の農薬一袋と、病害虫の対策の一袋で2回分なのかなぁと思っていましたから。
大切な事はそこに含まれる成分を「何成分まいたか」なんです。
以下のこちらの表なら一目で、分かります。
「あ~、『譲る米』ってお米は、特栽米のさらに半分以下に抑えて育てたんだね。こだわってるね。この農家の人、だ~い、好き!ちゅっちゅ!!」ってことになります。
てのは冗談でして。
「あ、もしかして私の探していたお米かも」と興味を持って頂ける事になると思います。
そうしてみていくと、下の図に、農薬の使用目的と、時期が書いてあるのに目が行きます。
「あら~畦畔のことまでちゃんと書いてある~。馬鹿正直に、そこまで書いている人いないのに、この農家さん、まめな方なのねぇ~。正直な人、だ~い、好き!ちゅちゅちゅの、ちゅ!!」
てのも冗談ですが、しかし、
「あらら、もしかして私の探していたお米により近づいてきたかも。この農家さんの人柄が、少し見えてきたかも。もうちょっと知りたいわ」と、ドキドキ想像して頂ける事になるかと思います。
そうしてさらに読み進めると、下の図に、農薬の使用目的と、時期、回数、こだわりが、カラフルな図として、書いてあるのに目が行きます。
「あらら~。文字だけだとわかりにくかったけど、色がついてて、図で解説されてるから、とても分かりやすくて一目でわかるわ~。こだわりを見ると、このお米の特徴が伝わってくるし。農薬は使っているけれど、安心安全なタイミングで重ねて保険をかけているのがわかるわ。誠意ある人、だ~い、好き!ちゅちゅちゅの、ちゅ!!もう一つおまけに、ちゅちゅちゅの、ちゅ!!」
てのも冗談ですが、しかし、
「あらら、これってもしかしてズバリ!私の探していたお米かも。お米への気遣い、食べる人への思いやりが、お米を通してみえてくるわ。あとは一度食べてみて、継続するかは、それから決めよう。はやく注文しなくっちゃ」と、早く食べてみたいとワクワクして頂ける事になるかと思います。
私は、「透明な栽培履歴」を通して、「顔の見える生産者」、「本当の意味での、食の安心・満足」をお米と共にお届けできることを目指しています。
若造が偉そうに何言ってんの!とお叱りを頂くかもしれませんが、目指しています。
ほとんどの人がやっていないけど、そこに手間をかけてみる。
食の安全に、安心感に繋がるのならば。
ほとんどの人がやらないのにはワケがあります。
だけども、栽培履歴を通して、食のワクワクドキドキとと、満足感を満たすことができるのならば。
やらない手はありません。取り組まない手はありません。
最近少し心配していることがあります。
ご飯を食べるよりもお菓子を食べる方が楽で、味が濃く美味しいから。
という理由で、お菓子を食べる機会が増えていませんか。
「ご飯を美味しく感じられない人が増えている」らしいです。
ご飯茶碗の米粒一粒一粒から立ち上る湯気が鼻に入るだけで、口の中が唾液で満たされる。
いや、その前にツヤツヤ具合に感動する。遠くに見てもツヤツヤ、口に近づけてもピカピカ、その輝きにビックリする。
「どんな味がするのだろうか」早く、早くと、食べたい気持ちが加速する。ブレーキなんて効くはずもない。
止められない食欲、止まらない唾液、食べたい、早く次の一杯が食べたい!
一口一口、口に入れてみれば、噛むほどに広がる、何とも言えない香りと甘さ。
ご飯だけで食べれちゃう。おかずでこの味を壊すなんてもったいない。
味の濃いものと一緒じゃなければ、それだけでは食べられなかった今までのご飯。
このお米は何なんだ!
おやつも、おにぎりでいい。
白飯の塊にかぶりついているだけで満足だ!
そう思って頂けるお米作りを私は、目指しています。
「お米の消費量を増やそう」と色々なイベントをしていますが、やはり、その根本の「お米の美味しさ」を再確認する場になったらなぁ、と思っています。
一円でも安くガソリンを入れようと、隣の町までガソリンを入れに行くんです。
美味しい食べ物があったら、県をまたぎ国をまたぐんです!
美味しいお酒でも同じです。
毎日食べるお米も、その「美味しさ」が分かると、やれジャーを洗うのが面倒だとか、研ぐのがおっくうだとか、おにぎり作る時間がない、ご飯粒の汚れは落としにくい、なんて問題は些細なことになります。
そこまで労力や時間やお金をかける価値がない、と思われているのが、残念ながら今の時代の「お米」です。
お米好きの方、愛好家の方、お米を食べないと一日が始まらない、と言われる方がいらっしゃることも知っています。
ただ、米の消費が減っているのは、少子高齢化などではなく、お米本来の「味」を感じられなくなり、その価値が下がり、ただでさえ忙しいのにお米なんて炊いてられるか、割に合わん!というのが根本の原因のように感じられます。
はたして、どんなお米が「美味しいお米」なのか。
答えは簡単です。
人それぞれです。
はたして、どんなお米が「安心、安全なお米」なのか。
この答えもいたってシンプルです。
人それぞれです。
「美味しい」も、「安心安全」も、食べられる方が決められることです。
マツコさんも醤油だったかのCMで言っていました。その通りだと思います。
生産者が、「このお米こそ一番オイシイ、一番安全」と押し付けるものではないと思っています。
ただ声を大にしてお願いといいますか、お伝えしたいのは、
「一度食べてみて!自分にあったお米が見つかるまで」という事です。
何年かかってもいいじゃないですか。他人ではない、自分のためのお米を見つける為なのですから。
欲を言うとするならば、
その際、よかったら「うちのお米から食べ始めて欲しい」という事です。
「一発ツモ!」
みたいに、もしかすると一発で見つかるかもしれません。
玄米、発芽玄米で食べたい方は、特に食べ始めたい方は、「夢ごこち」をお勧めします。
モチモチ感があり、冷めても美味しく、他の品種に比べ、食べやすいかもしれません。
玄米の場合は、農薬の使用回数が少ないものを選ばれた方がいいかもしれません。
弊社では特別栽培米の「夢ごこち」もあれば、さらに少ない農薬の、譲る米農法で育てた夢ごこち、「譲る米『夢』」もあります。
このような。↓
「譲る米『夢』」と同じく、少ない農薬で育てたコシヒカリを望まれる方にはコチラ↓
「譲る米」こちらをお勧めします。
「譲る米」シリーズは、病気、虫対策の農薬を使ってはいませんが、綺麗なお米で、黒い点や、黒い粒、黒いお米がほぼないものです。濃い緑色のお米もほぼないです。
ごくまれに色彩選別機を通り抜ける粒もありますが、それはラッキーなものだと思って頂ければ幸いです。
今回は、「『農薬を一度しか使っていません』って安心?不安?農薬を1~8回使っている場合もある」というタイトルでしたが、初めての方でも、なるべくわかりやすい様にと頑張ってみましたが、どうだったでしょうか。
「農薬を一度しか使っていません」と聞くと、私は不明確なことが多いので、不安になりますし、「なんでこんないい方をあえてするのだろう」と不振がつもります。
「これも生産者と消費者の方のギャップなんだなぁ」
と感じると同時に、もっともっとお米の情報を発信していきたいと思います。
分かりやすく、正確に、興味を持っていただけるように、頑張ります。
もっとわかりやすいようにお米のこだわり、魅力をご紹介していきます。
今後ともよろしくお願い致します。
written by てぃ
こんにちわ。
趣味で野菜を作りたいといろいろと考えています。
そのまま食べても甘いニンジン。
軽く焼いて食べるだけで美味しいピーマン。
だしをかけてレンジでチンするだけで美味しいオクラ。
トロトロの液のでる下仁田ネギ。
とれたてをその場で丸かじりが最高のキュウリ。
そんな思いを巡らしながら日々お米づくりを勉強しています。
「もっとお米のことを考えろっ!」!って叱られそうですが、
美味しい野菜と、美味しいご飯の組み合わせって、最高の栄養源、元気の源って感じがしません?
そんな私が、日常の日々の中で見たこと、思ったことなどを皆さんにご紹介させて頂ければなぁと思っています。
こうやってお米って作られるんだぁ、農家の人っていっつもどんな事してるんだろう?
へー、こんなこともしてるんだぁ!
そういう新たな一面というか、そういう驚き?のきっかけになって頂けたらと思います。
これからもよろしくお願いします。
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