「譲る米農法」が本当に目指している所は、農薬使用回数3回(成分数)です。
本当は、目指している所、3回です。
私の磨穿鉄硯。
「ません、てっけん」
ピッコロさんの「魔閃光」、対戦ゲームの「鉄拳」ではありません。
「鉄硯を磨穿する」
「鉄のすずりに、磨き穴を穿つ」
今の時代のように、iPadはもちろん、ボールペンや鉛筆もなかった時代、習字の時間のように、すずりで墨をすり、筆で字を書きました。
書きましたといっても、本で知ったことなので、平たくいえば、また聞きです。
知ったかぶりしてすみません。
仕事はもちろん、勉強でも、すずりで墨をすっていた時代の事らしいです。
小中学校の、習字の時間で使うすずりでさえ、穴が空くとは思えませんが、それが鉄製です。
毛頭、穴が空くとは考えられないもの。
それに穴が空くほど墨を磨る。考えられないことです。
しかし、そこに穴をあけた者がいた。
もちろん、私ではありません。
その男は、それほど没頭して、休みなく努力して、遂に、鉄と比べれば柔らかい墨で、硬い鉄のすずりに穴をあけたのでした!
隅に置けない、いや、墨でしか書けない男でした。
そこから、目的を達成するまで、努力を怠らない、普段なく修練する的な意味になったそうです。
私の磨穿鉄硯すべき目標は、
農薬使用回数3回です。
これは、どういうことか?
「譲る米農法」が本当に目指している所は、農薬使用回数3回(成分数)です。
一概には言えませんが、
お米や、野菜の、
「美味しさ」「旨み」「甘み」を求めるのならば、化学肥料よりも有機肥料栽培がよい気がするし、
「安心安全」を思えば、農薬が少ない環境で育った方が、減らした農薬の分、体に良い感じがする。
これは私個人の意見ですが、そう考えている人は、多いのではないでしょうか。
完全なる無農薬だと、何も米だけでなく、野菜も当然高価格になるので、食べられない。
農家の立場からも、利益というよりも、赤字を出さないギリギリまで煮詰めても、これ以上は下げられない。
それでいて、収穫されたお米はどうかというと、せっかく育っても、
①育ちにムラが出やすく、青い未熟米(緑色のお米)、白い胴割れなどのお米が多くなりやすい。
②カメムシなど害虫の被害にあいやすく、黒い斑点のある、黒い粒、黒い米も少なくない。
③お客様からすれば、「高いお米を買ったのに、黒い粒がある」とお米農家への不信感となる場合がある。
これは、お米の生産者たちの間の毎年のアルアルです。
弊社の場合、そういう事がなく、感謝していますが、これは決してお客様が悪いのではなく、お米業界全体を通じて、売ることばかりに注力してきたツケが出てきたのではないか、と感じています。
お米の現場を知る私たちが、正しいお米の情報を発信するという、そういう事をこれからは、積極的にしていかなければならないと思います。
温暖化が進み、平均気温が上がると、北陸でコシヒカリが作れなくなる、という事も、なぜそう言われるのかも、心配されているのかも、お分かりいただけるようになると思います。
パンや、麺、果物、野菜、スイーツなどは、その作り方のこだわりなど、よく特集されていますが、お米には、そういう機会がなかなかありません。
それらのように、「今日はコチラの現場からお届けしま~す!」といってアナウンサーなどが、お米をその場でかじって美味しい!とか、この溢れる汁に旨みが凝縮されているとか、パキ、ポキなどの、心に響く効果音がないですから、地味すぎて、仕方がないのかもしれません。
湯気の出るご飯を箸を震わしながら持ったところで、そのお米特有の香り、歯ごたえ、うま味、甘みはなかなか伝わりませんし。
話は、戻りますが、無農薬でお米を育てるとなると、手間がかかる分、どうしても価格が高くなります。
誰でも買い求めることが、正直できません。
私の想いとしては、
農薬の使用が少ないお米を、赤ちゃんの離乳食から食べていてもらいたいんです。
私もそうですが、赤ちゃんが生まれると、どこでどのように出費がかさむのか、予測がつきませんので、お金は、いざという時のために貯めておきたくなります。
その際に、そのしわ寄せが来るのが食費だと思います。
毎日の出費を減らすために、もやしを増やしたり、豆腐を多くしたり、などです。
しかも、タイムサービスの時間にいって、もやしをさらに安く買おうとします。
19円とか。
そして、レジの側に行くと、お米が10㎏2980円で売られていたら、さらにポイント3倍デーともなると、即決即買いです。
うまいこと、レジの側にはお米が置いてあります。
お買い忘れないようにと、言わんばかりにです。
肉を買う場合には裏を見て、国内産か、外国産かを入念にチェックします。
だけれども、
お米を買う時には、そのお米が単一品種なのか、ブレンドなのかも気に留めませんし、精米年月日を確認することもあまりしないと思います。
お買い得!さあ、買おう!
と、お米の場合には、なぜかそうなりがちです。
だから私は、
少ない農薬で育てたお米を、なるべく安くお届けできるように、
工夫、研究しています。
安いお米なのに、農薬の使用回数(使用成分)が少ないお米って、魅力的だとは思いませんか?
ですので、
「譲る米農法」が本当に目指している所は、農薬使用回数3回です。
「譲る米」も令和2年度産は4回でできました。
次の年には、「よし3回でできそうだ!」と思ったものでしたが、蓋を開けてみれば、令和3年度産は、田植後の気候の関係で、雑草の量が多く、やむなく5回になりました。
悔しかったです。
本当に悔しかったです。
田植までも、その後の水管理もこまめにチェックし、注意していたのに。
雑草も、一種類ではなく、別系統の二種類でしたので、2成分のものを使わなければなりませんでした。
決断をする時は、本当に悔しかったです。
ただ、安全に対して、出来ることはまだあり、それはタイミングでした。
お米の子供である幼穂が作られる前に使うという事でした。
幼穂が作られる前に、お米の子供が農薬に合わない前に、余裕をもって使うという事でした。
そのタイミングもかなり見極めが難しいのですが、何とか余裕をもってできました。
そこは、ほっとしています。
特別栽培米や、慣行栽培の農薬の使用回数の基準について、詳しい方は少ないので、その凄さは気づきにくい所ですが、「譲る米」は本当にすごいのです。
慣行栽培が22回。
頑張って抑えて、特別栽培米にして11回。
特別栽培米は、石川県の場合、11回以下ですが、一言で特栽米といっても、0~11回までと範囲が広く、11回でも特栽米を名のれるので、さらにその半分の5回などは、こだわる必要がないのです。
こだわる必要がないのに、こだわる人はそう多くはありません。
(私の勝手な思い込みもあるかもしれませんが)
また、簡単に5回でできるのならば、特栽米の基準が11回以下に設定されるわけがありません。
5回になるはずです。
だけれども11回となっているという事は、農薬を減らしても、努力しても、それぐらいは最低必要な場合が多いという事です。
山沿いなどの木や草が生い茂る所は、当然風通しも悪く、病気対策の農薬の使用が多くなるでしょうし、虫も増えるため、カメムシや蛾の幼虫などに対しての農薬の使用回数も増えます。
それは、仕方がないことです。
ですが山間部は、昼と夕方の気温差ができやすいため、稲が甘みを蓄えやすく、美味しくなりやすいです。
でも先の理由で農薬の使用回数は増えがちになります。
美味しさと安心安全は、また別の問題となります。
ですが、今はそのことは置いといて、県ごとにも違うけど、同じ県でも地域ごとに、農薬の使用回数(成分数)は変わるのだという事を伝えしたいと思います。
参考に、新潟県の慣行栽培の基準などの表を引用します。
とても丁寧に作られていて、地区ごとに違うことが分かると思います。
しっかりと今までの栽培履歴のデータを集められ、まとめられているからできることです。
流石です!
「慣行栽培基準」「県認証基準(特別栽培米基準)」という事が、とても分かりやすいです。
初めて見られる方でも、しばらく見つめていると、なんとなくでもわかるのではないでしょうか。
静岡県の慣行レベルも引用させて頂きました。
こちらも分かりやすいです。
同じコシヒカリ栽培でも地域によって、農薬の使用回数に15~20回の開きがあります。
「畦畔除草剤は含まれない」と区別もしてあります。
これは岐阜県の慣行栽培の基準です。
化学合成農薬の「成分回数」の慣行レベルは、24回で、
「慣行レベルの5割以下(特別栽培米の基準)」は、12回以下、
という様に、とても分かりやすく明示されています。
例として3県の慣行栽培、特別栽培米の農薬の使用回数(使用成分数)の表を掲載しましたが、各県とも見やすさ、分かりやすさ、間違えないようにと、とても配慮されていることが、ひしひしと伝わってきます。
担当の方は、策定にご苦労されたことと思います。
正式な表示の仕方に「節減対象農薬○○割減」とあるのは知っていますが、このように、各県、各地域で農薬の使用回数は、異なりますので、「○○割減」のような割合では、私個人としては、今少し、詳しく知りたいと思う所であります。
なので、まずは私から、ということで、「農薬の使用回数(使用成分)」は、譲る米は5回、であると、ハッキリとお伝えしています。
割合だと、少数以下を切り捨てたものなのか、繰り上げたものかも、分かりにくいなと、思うからです。
また、もともとは何回なの?という事も気になります。
お米の価格を下げるためには、収穫量もある程度は必要になりますし、それでいて綺麗なお米にするのは、大変です。
収穫量が減ってでもいい、緑色の粒や白色のお米、黒色のお米が混ざっていいというのであれば、農薬を極端に減らすことはできますが、食べてくれる人がいなくなります。
そういうことを考えると、「5回」というのもなかなかに少ない数で、工夫努力の研究の賜物です。
本当に工夫をしなければできないことです。
お米の値段を下げつつ、品質と安全を上げる。
とても忍耐と観察のいることです。
自分がやっているから、そう自己顕示しようとしているわけではなく、仮にほかの方が同じように5回でしましたと言われたら、私は同じように尊敬の想いで接することと思います。
農薬の使用回数を、0回にしたら除草のための人件費、燃料費、肥料代などでコストが一気に跳ね上がります。
そうなるとお米の価格も上げざるをえなくなります。
価格も抑え、求めやすくするのには、この辺がギリギリラインです。
でもですね、本当は、目指している所、3回です。
5回で満足していませんよ~。
現実的な目標として3回です。
しかもこれは、田植時に使用して、その後一切使用はしない。
そういう目標です。
これからも一人でも多くの方に食べて頂くため、安心をお届けするために、「譲る米」はこだわっていきます。
今後ともよろしくお願い致します。
最後にそんな想いの詰まったお米の紹介です。
弊社では特別栽培米の「夢ごこち」もあれば、さらに少ない農薬の、譲る米農法で育てた夢ごこち、「譲る米『夢』」もあります。
このような。↓
「譲る米『夢』」と同じく、少ない農薬で育てたコシヒカリを望まれる方にはコチラ↓
「譲る米」こちらをお勧めします。
「譲る米」シリーズは、病気、虫対策の農薬を使ってはいませんが、綺麗なお米で、黒い点や、黒い粒、黒いお米がほぼないものです。濃い緑色のお米もほぼないです。
もしよかったら、ぜひ一度食べてやって下さい!
ビックリします!
written by てぃ
こんにちわ。
趣味で野菜を作りたいといろいろと考えています。
そのまま食べても甘いニンジン。
軽く焼いて食べるだけで美味しいピーマン。
だしをかけてレンジでチンするだけで美味しいオクラ。
トロトロの液のでる下仁田ネギ。
とれたてをその場で丸かじりが最高のキュウリ。
そんな思いを巡らしながら日々お米づくりを勉強しています。
「もっとお米のことを考えろっ!」!って叱られそうですが、
美味しい野菜と、美味しいご飯の組み合わせって、最高の栄養源、元気の源って感じがしません?
そんな私が、日常の日々の中で見たこと、思ったことなどを皆さんにご紹介させて頂ければなぁと思っています。
こうやってお米って作られるんだぁ、農家の人っていっつもどんな事してるんだろう?
へー、こんなこともしてるんだぁ!
そういう新たな一面というか、そういう驚き?のきっかけになって頂けたらと思います。
これからもよろしくお願いします。
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