他の人は、何を基準にお米を選んでいるんだろう?

いつもありがとうございます。お米農家ばんばです。

いつも当たり前のようにご飯を食べているけれども、ふと考えてみたら、「他の人って何を基準にお米を選んでいるんだろう?」と、疑問に思ったことはないでしょうか。

主婦の方であれば、「私は、体のことを考えて無農薬にこだわっているのよ」とか、「うちには、食べ盛りの子供が3人いるから、今は安さを基準にしているわ」、「うちの旦那は、とにかく味よ。旦那の価値観で、美味しいと思ったものしか買わないわ」とか、いろいろあると思います。

今回は、お米選びに関する私個人の想いを綴らせて頂きます。

まずは、身元がハッキリしているお米か。

つまり栽培履歴がハッキリしているか、どうか、という事です。

①はっきりした身元(栽培履歴)か?

お米屋さんであれば、その場で聞いたら答えてくれると思います。ネットであれば、ちょっと手間ですがメールで問い合わせてみるとか。スーパーであれば、「えぇ、そんなことまでするのは」と思われるかもしれませんが、サービスカウンターや担当者に聞いてみるとか、袋に電話番号があれば聞いてみるのもいいかもしれません。

「いやいや、そんなひと手間が面倒!」「あんたみたいな暇人じゃないわよ」といわれる方もいるかもしれませんが、せっかくお金を出して毎日食べるものなのと、特に問題なければその後も基本同じものをしばらくは買い続けられると思いますので、ちょっと時間のある時に、聞いてみるのも面白いかもしれません。

「私は、忙しいスタッフさんにそんな事を聞くのは申し訳ないから」といわれる方がありましたら、ネットショップで栽培履歴を公開しているものや、その年の栽培の様子を公開している所で買われたらいいのでは。と思います。

中には、「そもそも何を聞けばいいの?」といわれる方がいるかもしれませんが、農薬の使用回数や、肥料が化学肥料か有機肥料か、それとも両方か、どこの地域で育てたのか、とか、だいたいでいいんです。

農家さんや販売店さんでも急に聞かれて、バシッとすぐに答えられるわけではありませんし。資料が手元にあるとも限りませんし、そもそもが記録を残さず感覚でされている方もあるかもしれませんし、現場を知らない事務員さんの場合もあるからと思うからです。

つまるところ、私は連絡の付くところのお米であれば、いいのではないかなぁ、と思っています。

つぎは、そのお米の等級です。

②等級は?

お米農家がとてもシビアになり、ピリピリするのが、稲刈り後の検査です。

この検査は何をするのかというと、お米の整粒具合を調べて、お米の品質に等級をつけるんです。

例えば、カメムシにエキスを吸われた黒い斑点のある玄米はどれぐらいの比率で入っているのか、青い米粒、白い米粒、割れた米粒、の混入具合はどうか、米粒の大きさにバラツキはないか、水分量はどうかなどです。

この時には味は関係ありません。主に見た目です。

最高が1等米。こんハンコが押されます。二重丸みたいな形で、中心に●が一つ。

譲る米 等級 一等

譲る米 等級 一等

次が、2等米。スポンジを握ったような形の変形した長方形の中に●が縦に二つある印を押されます。

3等米は、三角形の中に●が3つあります。

3等米にもなると、買い手が付きません。嫌がられます。

時々、「特Aって何?」と聞かれますが、これは食味ランクといわれるもので、5段階あるようですが、炊いた白米のおいしさをランク分けしたものです。

一般社団法人がしているものなのである程度の基準はあると思いますが、上記のように玄米の紙袋に表記はできません。してはいけないものです。

正式なものではありませんし、消費者の方を混乱させる場合もあると思われますので、わかりやすさを打ち出したい私からすると、否定はしませんが、私個人はあまり気にしてはいません。実際、私の周囲の米農家さんであれ農家でない人であれ、気にしている人はほとんどいません。

そのお米のおいしさは、「食べた方が判断するもの」と思っているからです。

これは共感する方が多いと思います。

お米のおいしさは、炊く炊飯器、電気調理器、調理方法、その地域の水、炊くときに使う水、水につける時間、誰と食べるのか、でも違ってきますし、そもそも玄米で食べる方もいらっしゃるからです。

実際お客様から「ばんばさんのお米は、玄米で食べても美味しい」「玄米を噛むほど旨みが出てくる」と褒めて頂くこともありました。

白米だけの評価では、分からないことです。

でもここは、しっかりと伝えておきたいところですが、「白米のおいしさ判定」を私は否定する者ではありませんし、消費者の方にとってお米を選ぶ選択肢が増えることは、いいことだと思っています。ワクワクが増えますから。

ただ、「どういうこと?」と、こんがらがってしまって、お米を選ぶことが億劫になってしまうことを懸念しているだけです。

続いて、そのお米がブレンド米なのか、どうか、という点です。

③ブレンドされてるお米か?

何を何のために、何にブレンドしているのか、ですね。

まず、違う品種を混ぜる場合があります。

この組み合わせだと、「よりお米が美味しい」、「この調理方法にあっている」という場合があります。

味にこだわり、茶葉を意図して計算してブレンドする様な場合です。

お寿司屋さんなどで、品種の違うお米をブレンドして、酢の入りやすさや、触感のバランスをとる場合もあります。

次に、同じ品種でも違うものを混ぜているものもあります。これはあまり知られていないことですけども、2等米に中米(検査を通らない、小さい粒だけど品質がまだ良い方)といわれるものを混ぜている場合もあるようです。

もし白米のお米を研ぐときに、水を入れた際、なかなかお米が沈んでくれない時は、この疑いがあります。

大学生のとき、10㎏2980円ぐらいのお米を買っていた時は、私だってあります。その時、研ぐときにお米が浮いてなかなか沈まないので、水を捨てる時に、お米も流れていきそうになって、ちょっと面倒に感じた時がありました。

生まれ育ったのが米農家なので、「一粒でも無駄にしてはならない」という事が身に染みていたので、こぼれた米粒を拾うのが、大変でした。

そのあと「うちのお米だったらそんなことなかったのに」とそのことを聞き、さっきのようなことを知りました。

もう20年ほど前のことですから、今は違うかもしれませんが、気になる様であれば、先に書いたように、そのお米の生産者さん、販売者さんに確認するのがいいと思います。

別にそれが悪いこととは私は思いませんし、値段を下げる努力をされてるわけですので、気軽に聞いてみるのがいいと思います。

聞き方は、「いつも食べていて、ふと思ったのですが、お米をブレンドされていますか?されている場合、どんなお米をブレンドされているのですか?せっかく食べているお米の事を知りたいなぁ、と思って」ぐらいで、失礼はないかと思います。

「安くするために、変な米つかっとるそうやな!」みたいな喧嘩腰はやめてくださいね。

悪いものでもないですから。

実際に弊社に、「中米を売って欲しい」と買いに来る方がいらっしゃいました。

「うちのポリシーとして一般のお客さまに中米は売ってないんです」とお話しさせて頂いても求めてくださり、「ばんばさんちのお米は、中米でもおいしいよ。これで十分十分」と何年か買いに来られた方もいらっしゃいました。

話を戻しますが、「でも私は、やっぱり聞けないよ」といわれる方も、もちろんいらっしゃると思います。

「こんなこと聞いたら、きっとスタッフの人は裏で『面倒なお客さん』って噂するだろうし、そういうのでモヤモヤ悩むのは嫌」的な。

そういう方におススメなのが、これ!

④水で研ぐときに、白米が浮くか浮かないか?

先にも少しふれましたが、これは一つの目安になると思います。

1等米なら、ほとんど浮かないのではと思います。

もちろん数粒くらい、しばらく浮くこともあります。白米の表面に残る精米の時の粉がついていて、表面張力が働きやすい時とか。

でも水を入れて少しかき回すと、割と早く沈みます。

ちなみに玄米は、浮きやすいです。ですので、玄米の場合は、この方法はあまりあてにならないと思います。

それは玄米の場合は特に表面張力が働きやすいためと思います。

私が大学生の時買った10㎏2980円のお米の時(もう20年ほど前になりますが)は、研ごうとすると、釜の表面がぎっしりとお米で埋まるほどお米が浮いてきて、しばらく回しても、なかなか沈みませんでした。

なので水を切るのが一苦労でした。最初の水こそすぐに捨てたいのに、なかなか捨てられない。そんな状況でした。

その後社会人となり、縁あった人が、「ばんばさんのお米を食べてみたい」といってくださり、食べられたところが、次の日お会いすると「浮かないお米は初めてでした!研ぐとき浮くのが普通だと思っていました」と言われたことは、今でも忘れられません。

お米農家で育った私は恵まれていたのだなぁ、と実感したものです。

この様に、今食べているお米はどんなお米なのか、をイメージしながら、研いだり食べてみるのもお米の面白さかもしれません。

「そういえば、夏は天候が良くなかったってニュースで言っていたわ。だから品質に影響が出たのかなぁ。そんな厳しい中、育ってくれたお米なんだね。これが今年のお米の味なんだね」とイメージしながら食すのもお米の一つの面白さ楽しさではないでしょうか。私はそう思います。

色々とお米の選び方を紹介してきましたが、私が紹介できる最後の選び方をお伝えします。

⑤お米の保存方法、お届けの方法はどうか?

お米の保存方法としたのは、お手元にお米が届いてからの保管方法もそうですが、お米農家さん販売店さんの方でどのように保管しているのか、ということです。

弊社の場合は、大きな冷蔵庫の中で玄米の状態で保管しています。一定の温度、湿度の中で保管しています。

今の時代あまりないと思いますが、常温で保管している所もあると思います。

よく「古米はまずい、新米は美味しい」と聞くと思いますが、弊社の場合は「新米だから美味しい、古米だからまずい」という事は、あまり私は感じません。「えっどうして?」と思われるかもしれませんが、それは冷蔵庫の中で、徹底して一定の温度、湿度で管理しているからです。

ですが、これもポリシーとして基本的に、古米は一般のお客様には販売は致しません。

「ばんばさんのお米なら古米で十分。古米が欲しい」とご来店される方もいらっしゃいます。

それだけ保管方法は大切という事です。

次にお届け方法ですが、お米は意外に思われるかもしれませんが、お米も鮮度が命です。

お米の鮮度とは、精米してからどれだけ経っているのか。

お米は精米して素っ裸になると、酸素に触れるだけ酸化しやすく、劣化しやすいです。

気温や湿度にも影響を受けやすくなります。風味が落ちたり、匂いが出てきたりします。

いつ精米したものが送り届けられているのか。販売店で売っているのか。ここはかなり大切です。

精米した日に関しては、袋の裏に必ず記載されているはずですから、そこをご確認下さい。

弊社では、5㎏では、極力酸素に触れないように、真空パックを採用しています。

鮮度そのままで、手塩にかけた、お米を食べて欲しいからです。

また、真空パックであれば、いざ何かあった時のための非常食用にも保管がしやすいからです。

特栽こしひかり

 

⑥食べて美味しいって感じたら、それが「いいお米」!

もうこれに尽きると思います。正直他に言うことがありません。

もし言うとすれば、気に入るお米が見つかるまで、いろいろ食べてみるしかない、という事です。

一時気に入ったお米を食べていても、人は飽きてしまう生き物ですから、お気に入りのお米を2、3種類用意して、交互に食べられるのが、一番いいのかもしれません。

「ちょっと飽きてきたな」と思う前に、別のお気に入りを食べ始める。

お米が美味しくなくなったのではなく、それが当たり前になってしまって慣れて感動しなくなった、という場合が多いのではと思います。

なのでローテンションするのがいいのでは、と思います。

そう思うと、ばんばのお米を選んで頂いているお客様は、一つ決められたお米を食べ続けてくださる方が多い様に思いますので、本当に感謝感謝です。

また、こういう方もいらっしゃいます。弊社には、同じコシヒカリでも栽培方法の違いで6種類ありますので、コシヒカリの間を行きつ戻りつされたりとか、全く違う夢ごこちにされたりとか、ひとめぼれにされたりとか、うまく変化をつけられている方もいらっしゃいます。

以上6種類のお米の選び方をご紹介しましたが、参考になれば幸いです。

一応お米選びの基準として「お得なお米」という事もよく耳にしますし、私自身気にしていましたので最後に書いてみたいと思います。

⑦「お得なお米」と「安いお米」

「お得なお米」についてですが、「お得」という事を考えてみると、どんな時にそう感じるのか?

「お値段以上、○○リ!」というキャッチフレーズが、耳に残っていますが、まさにそんな時「お得」と思いますよね。

価格と満足度が、いいバランスになった時、「お得」と感じます。

なのでこれは、個人個人でバラツキがありますので、そこには触れません。

次に「安いお米」です。

お米選びで、「安いお米」というのは、判断基準になりうるのか?

私は今そう思っています。

「あんたは、米売ってるからそう言えるんでしょ」とお叱りの声が聞こえてきそうです。

もしよろしければ、一緒に考えてみませんか。

弊社の中でも高価格帯の「農薬を使わないこしひかり」で考えてみます。

真空パック5㎏で、精米代込みの白米が、税込み【4,968円】です。

炊飯前のお米で一合、約150gです。一合はだいたい大人2杯分の量です。

(炊飯後は、一合約330gになり、半分は水分以上という事ですので、水選びも楽しみの一つです)

一袋5㎏は何合分になるかといいますと、

5kgは、5,000gですので、5,000g÷150g(一合)=約33.3合分

一袋5㎏は、33.3合分となります。

今度は、一合当たりの価格を出します。

4,968円÷33.3合=約149円

一合当たりの価格は、149円となります。

一合はお茶碗2杯分ですので、一杯当たり、

149円÷2杯分=74.5円

お茶碗一杯当たり、74.5円という事になります。

もちろん、これはお米代だけの計算です。

ここで比較して頂きたいのが、コンビニやスーパーのおにぎりです。

おにぎり一個が100円とか120円とかで売っています。

もちろん、おにぎりには、海苔や具材、調理の手間など、もろもろのコストが含まれていますが。

でもこうやって計算して見てみると、5㎏の白米が4,968円だったとしても、

「高いと思っていたけど、まぁ、そんなもんか」と感じるかと思います。

逆に、「コンビニのおにぎりって結構リッチな食べ物?だったのね」と驚いたりします。

駄菓子やポテチ、スイーツにかかる金額と比較するとなおさらです。

「このお米高いなぁ」と感じてしまうお米であっても、一杯当たり、75円ほどなんです。

毎日頑張っているお体に、これからも頑張り続けなければならない資本だからこそ、少し金額を忘れて、「今日のご飯うまいなぁ、これだけでも食べれるわ。このご飯やべェ!」と、疲れや悩みを、その食卓にいるその時だけでも忘れさせてくれるような、そんなお米選びに力を入れて、お気に入りのお米と出会い、日々の心身のエネルギー充電をされてみてもいいのではないかと思います。

そのためにも弊社では安心安全はもちろん、エネルギッシュなお米の栽培に力を入れ、真摯にお米と向き合っています。

ちなみに弊社のお米の場合、税込み3,980円以上であれば送料は無料ですので、重たいお米を持って帰る手間もいりませんので、その労力も吟味して、ご活用して頂ければ幸いです。

最後に、真空パックも、お米の美味しさを、そのままお楽しみ頂ける一役を買っていますので、そちらもご期待ください。真空パックのままであれば、しばらくの保存にも適しています。

今後とも宜しくお願い致します。

(この文章にある価格などは、令和3年7月現在のものです)

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