No.252 2016.10 太陽と気温の関係

秋の遠足に行った娘に、「山の上は太陽に近いのにどうして涼しいの?」と聞かれましたが、すぐに返答できませんでした。山の頂上は平野部に比べるとたしかに、太陽に近いのはまちがいありません。

よくよく考えると、地球と太陽の距離は、およそ1億5千万kmもあるので太陽にたった数百m近づいたとしても誤差の範囲ですよね。つまり、山の上が涼しいのは、太陽からの距離とは関係がないのです。

この寒さに関係しているのは気圧で、空気には圧力が低くなると温度が下がるという性質があり、空気が薄くなる上空ほど圧力が下がり、気温も下がってしまうというわけです。また、地球は太陽から熱を受けていますが、太陽の熱は、直接、地球の空気をあたためているわけではなく、一度地面をあたためて、その照り返しの熱で空気をあたためるというしくみになっているそうです。つまり、大気は、地面に近い下の方から、あたたまるというわけで、どちらにしても山の頂上は涼しいということです。

何気なく聞かれたことですが、子供の素直な好奇心のおかげで、私も少し賢くなれたような気がします。