ブログリニューアルいたしました
みなさん、こんにちは。有限会社ばんばで自然栽培を担当している上野と申します。このたび、今まであったスタッフブログを「自然栽培ブログ」としてちょっとだけリニューアルいたしました。
もう2月も終わり来月からカレンダー上は春ですね。冬の間にいろんなことをやっておこうと思いましたが、なかなか思うようにはいかなかったなあ。うーん。でも3月からは気持ちを切り替えて秋の収穫まで駆け抜けたいと思います。さらに今年は、作業の合間を縫ってブログ更新も頑張りたいと宣言させていただくしだいです。
さて、自然栽培ブログということで、いろいろ考えていること起こったことなどについての話題を取り上げようと思っているのですが、まず、自然栽培ってなんなの?という方もいらっしゃると思うので、自分が考えていることについて今回は書こうと思います。とはいえ、私の個人的見解盛りだくさんなので、それは違うぞと思う方はご意見くだされば幸いです。
自然栽培。うむ。「自然」というのは人手を加えないそのままという意味ですし、「栽培」というのは、植物を植えたり育てたりすることです。ですから「自然栽培」というと、素直にとれば、手を下さずに植物を植えたり育てたりするということになります。フォース的な何かが必要です。私はフォースを持っていない代わりに、これくらいの矛盾はまるごと飲み込めるくらいの性格なのですが、自然栽培とはどういうものなのか?とお客様に問われれば「片手の拍手を聞くがごとし」などと言って煙に巻くわけにもまいりません。一度、基本に立ち返り自らを正すよい機会です。一見矛盾する事柄を丹念に見てみると何か素敵なものが見つかったりするものです。
基本に立ち返るということで、先人の言葉に学んで自然栽培のエッセンスを探してみようと思います。自然栽培あるいは自然農という言葉で資料にあたると、福岡正信氏、岡田茂吉氏、川口由一氏、木村秋則氏のお名前が挙がってきます。
最初のアプローチとして、先人の著作を「べからず集」として眺めてみます。表現に違いはありますが、「不耕起」「無肥料」「無農薬」「無除草」といった「不」とか「無」が含まれる考えがキーワードとして現れてくるからです。これらのキーワードを軸に福岡氏らの方法論を分類してみると以下のような表になるかと思います(×はしない。○はしてもいい)。
耕起 | 肥料 | 農薬 | 除草 | |
福岡氏 | × | × | × | × |
岡田氏 | ○ | ○ | × | ○ |
川口氏 | × | × | × | ○ |
木村氏 | ○ | × | × | ○ |
もし今後、JAS自然栽培規格みたいなものができたら、表の行のうちどれかが採用されるかもしれませんね。これを「しない」場合は○○流の自然栽培とみとめる法律というわけです。でもね。表まで作っておいて、ここまでお付き合いいただいた方には申し訳ないですが、このアプローチは間違いでした。これを法律として受け入れているうちは、「自然」と「栽培」の間のわだかまりを私は払しょくできません。「これをしないから自然栽培でいいでしょう?」とか「自分にとってはこれをするのは違うように思うのだけど、やっても大丈夫らしい」というような後ろ向きの姿勢ではないように思うのです。
ついこのあいだ、このような私の心にキックをいれてくれるイベントがありました。去る2月の23日と24日に自然栽培を実践されている方、興味のある方が広い地域から集まりました。そこでは日ごろからの疑問や思いをそれぞれが語りあいました。うれしい出会いがたくさんありました。その中で感じたことは、みなさんが自分の中に「自然とはこういうもの」という感覚があるということです。そして、どなたかがおっしゃられたように、その感覚に嘘をつかないで済むのが自然栽培なんだと強く感じました。つまり、自分にとっての自然な状態にしていく農法なんじゃないかと思うわけです。だから、それぞれ個別の技術については、田んぼや畑、作物との対話をしながら、胸に手を当てて自らに問うべしということになります。そして自然栽培とは何かと問われたときに、自分の考える自然の姿について語りつつ、どうしてこれはやり、あれはやらないのか説明するのです。「自然」の感覚は、必ずしも人それぞれでお互いに一致するものではないのかもしれません。栽培を続ける中で時間の経過とともに変化していくかもしれません。人からも影響を受けるだろうし、影響を与えることがあるでしょう。それもまた自然のプロセスです。
こう書いてしまうと、独りよがり、内輪ウケと感じられる方もおいでかもしれません。私自身の自然栽培への理解や表現力の不足があることをご容赦いただきたいと思います。当然ながら、自然栽培に携わっている生産者が、自分の思いのたけをぶつけるだけで、その米や野菜を召し上がる方々をないがしろにしようとしているわけではありません。お客様に対しても嘘をつきたくはないのです。良いものを提供したいと思っています。ですが、「私が良いと思うもの」に対して理解を得る努力あるいは「お客様が良いと思うもの」についての理解をする努力がなければ、ただの押し付けになってしまいますね。ですから、様々なチャンネルを通じて理解しあうことが必要です。それこそが最も重要な課題だと私もようやくと気づきました。周りを見渡せば、すでに多くの取組が行われています。わたくしにとっての第一歩が、このブログです。今後は、私たちの取組や出来事、考え方を書いていく予定です。また、自然栽培を実践している方の紹介やその取り組みなどにも触れられればいいなと思っています。よろしくお願いします。
むっちゃんこと 番場睦夫です(^o^)
お米を作って45年とは言っても1年1作のものですから、45回しか作っていません。自然相手に、おいしいお米づくりを目指して、日夜奮闘しています。!(^^)!
* 写真は、ちょっと若い時のものですが、お気に入りなので・・。(^^)/~~~