「今でしょ!講座」で常識を覆された!家の炊飯器で簡単!”最高にうまい米を炊く”方法。その『研ぎ方』編
「今でしょ!講座」で常識を覆された!家の炊飯器で簡単!”最高にうまい米を炊く”方法。その『研ぎ方』編
「今でしょ!講座」を観た知人から早速、連絡が入る。
「お米って研がなくたっていいんだって、知らなかった!!」
このメッセージを見て、複雑な気持ちになった。
米好きの知人だけれども、以前、米を研ぐ、研がないで、強い口調で言われたことがあるからだ。
「2,3回しっかり研がないと汚い!水の白い濁りがあると炊いても美味しくない!」
そう言い張られたら、
「自分が美味しいと思える食べ方がいいと思うよ」
と言うしかない。
自分が美味しいと思える食べ方、それがイコール、その人にとっての正解だと、常々思ってきたから。
嫌々や、不安の残る調理の仕方で、食べても美味しくないし、楽しくない。
こんな経験ありませんでしたか。
「この肉、まだ焼けてないんじゃない?」
「いやいや、ちょっと生ぐらいが美味しいんだ!食べてみてよ、はい!」
とされても、
はたして楽しく美味しく食べられるだろうか。
「ちょっとぐらい生」とは何なんだろう。
「しっかり火を通してくださいって、隣に書いてあるだろうが!」
と、きっと怒りの炎で、お相手を焼いていることでしょう。
♪ 焼いて~焼かれて~~、これが本当の焼肉~♪
話は戻るけど、こういう話もしてあったんです。
「今、精米技術が進歩して、白米はきれいだから、手を使わずに、水の勢いだけで、軽く米粒が舞う様に洗うだけでいいらしいよ」
「手が濡れなくていいよね」
「念のためするだけだから、すぐに水を捨てて、新しい水で浸したらいいらしい」
「水が白くなるのは、汚れではなくて、デンプンが溶けだしているだけだから、解け出た分だけ、旨味やら甘みの栄養が減るから、気にせず炊いたらいいみたい」
角が立たないように、押し付けようともせずに、理屈っぽくもならないように、やんわり言ったつもりっだったんだけど。
人には、何かしらの地雷があるようだ。
そんなムキにならなくてもいいんじゃないの?と思っても後の祭り、、、。
私は地雷を踏んでしまったらしい。
まぁ、そんな彼がだ!
「お米って研がなくたっていいんだって、知らなかった!!」
私の心には悲鳴が!
「キャー!何言ってんの!?」
言ったけど、全否定してきたよね?
「それだったら手も濡れずに研げるわ!」
あれ?それってデジャブ?
「あの白いの汚れじゃなくて、デンプンって知ってた?」
んんんっ!?これまたデジャブ???
「お米本来の味や香りが楽しめるから、そのまま炊いた方がいいんだって。ミシュラン店の味だって」
もう言葉も出ないや!
というようにTVの影響力は、絶大です。
地雷ポイントを、ほんのしばらくで安全圏につくりかえよった!
私の信用の少なさと、偉大なTVの力の格差に、心を寂しく震わせました。
でもいいんです。
お米離れが進んでいる昨今、お米の魅力である、その甘さ、その旨さ、それを引き出すための、”最高にうまい米を炊く”方法の特集が組まれて本当に嬉しいです。
さて、番組のポイントを記憶を頼りにまとめると、
最初が肝心!
①1回目研ぐときは水をすぐ捨てる。
2~3秒ほどで捨てる。
1回目の水の場合は、米糠の匂いが付きやすく、その水を吸水したお米の風味が落ちてしまうから。
お米が吸水する前に捨てる。
②2回目以降は、わざと糠臭さを出すために研がない。
または、研ぐのではなく、優しくもんだ(3合の場合30回ほど)後は、3回水で汚れを流す。
胚芽の部分に詰まった米ぬかを落とすためだそうです。
旨味や食感をよくするためですが、この時のポイントは、お米を壊さないこと。力を入れずあくまで、優しくです。
わざと糠臭さを出すために2回目以降は研がない洗わない、というのは、ミシュランガイドで紹介されている、おにぎり浅草宿六さんだそうです。
私も、お米本来の味や香りを楽しみたいので、この研ぎ方です。
どうしてゴシゴシ研いだらいけないのか、というと、お米の表面の層が傷つき割れて、壊れるので、炊きあがると、食感にベチョベチョ感が残ってしまうからだそうです。
ここからが、お米の栄養の凄い所で、改めて勉強になった所です。
精米前の玄米の状態でイメージして頂きたいのですが、
お米は外側から
①糠層(精米の時、削りとられてしまう部分)
②胚乳(精米後の白米)
の、大きく分けて2つの部分でできています。
①の籾層をさらに分けると、外側から、
(1)果皮
(2)種皮
(3)糊粉層(こふんそう)(または、アニューロン層)
お米にはデンプンしかないと、馬鹿にされる方もありますが、大切な栄養が含まれています。
詳しくは、過去の記事で。↓
お米って太るって聞くけど、ホントなの? だからパンや麺を食べるようにしてたんだけど。
実は(3)の糊粉層には、
(ァ)たんぱく質
(ィ)ミネラル
(ゥ)ビタミン
(ェ)酵素
が含まれます。
その他にも具体的にはこういったものが含まれています。
以下のサイトを参考にすると、
人類の健康に大いに寄与する新発見!亜糊粉層が肥厚化したコメが出現
(3)の糊粉層から胚乳の間には、
甘味や旨味を生成する酵素、
自然免疫力を高めるLPS(リポポリサッカライド)という成分、
ミネラルなどの栄養成分、
旨み成分
が多く含まれているそうです。
LPS(リポポリサッカライド)、この横文字はややこしいです。
私には「ぺっぺっぺ・ソーランアレマ」が思い浮かびます。
続いて、お米の甘みの秘密には、以下を参考させて頂くと、
玄米は、水を吸水すると、
胚で「ジベレリン」という酵素が合成され、
胚乳を経由して、糊粉層に行き、アミラーゼの合成を誘導する。
糊粉層で合成された「アミラーゼ」という酵素は、胚乳のデンプンを分解し、グルコースを生成する。
グルコースは、胚の胚盤に移動し吸収され、幼芽や幼根の、発芽、成長のエネルギーとして使われる。
グルコースは、別名、ブドウ糖です。
なるほど、だから、お米は酵素の働きで甘くなるんだ!
途中の話はよく分からなかったけれど。
ん?
ありゃりゃ?でもこれって玄米の話だよな、、、。
この仕組みから考えると、TVでは軟水を炊く時に使うのは、酵素の働きをよくするためと言っていたけど、胚の部分や糠層を取り除いた白米で、はたして、酵素が働くのだろうか?
この仕組みから行くと、胚がない時点で、アミラーゼを作るためのスイッチが入らないことになるから、しかもアミラーゼが作られる糠層すらないから、アミラーゼ自体作られない。
この場合のお米を美味しくする酵素とは?
アミラーゼ以外にも、もしかしたらあるのかも、、、。
切り口を変えて、今度は米ではなく、水について調べてみました。
あくまでネットでですが。
軟水には、米や野菜を柔らかくする働きがあるようです。
また、水の吸水性を上げてくれる働きもあるようです。
また、カルシウムや、マグネシウムの苦みや癖がつきにくいので、酵素の働きとは関係なく、お米自体のそのものの甘味、旨味、香りを楽しめるのかもしれません。
また、硬水を使うと、お米の中の食物繊維が硬くなり、食感に影響を与える、らしい。
≪参考サイト≫
軟水・硬水の違いを比較! 料理や美容に活用できる!飲み分け・使い分けのススメ(KiralaWater)
→「軟水は米や野菜を柔らかくする作用があり」
→「軟水は米に浸透しやすいため、米がふっくらとしてつややかな炊き上がりになります。一方、硬水でご飯を炊くとパサパサとして固くなってしまいがちです。」
→「硬水に含まれるカルシウムは食物繊維を硬くする効果があるため、粘り気のないパラッとした仕上がりになります。」
硬水と軟水は何が違う?それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介(アクアクララ)
→「硬水に多く含まれているマグネシウムには独特の苦みと風味、香りがあるので、料理の味付けの邪魔になることも。」
という事は、軟水を使う事のメリットは、酵素の働きというよりは、一粒一粒のデンプンにまんべんなく均一に吸水させることができるようになるのでは、と。
そうすることにより、常に安定した品質のお米が炊きあがる。
そもそも、酵素は煮沸されるような高温では死んでしまうはずです。
記憶では、酵素はたんぱく質なので、60℃くらいで、ダメになってしまったはず。
つまり、お米に浸水させる6時間の時に、軟水を使うのなら、酵素の関係はまだわかりますが、早炊き時の30分ほどで、酵素の分解が味に関係するとは、あまり考えられません。
ということは、軟水を使うことによって、吸水率をあげることによって、一粒一粒の持っているポテンシャルを最大限引き上げて、(β‐デンプンのひとかけらも無駄にすることなく)、口の中の酵素アミラーゼに出会ったときに、麦芽糖(マルトース)に分解されやすいα‐デンプンの比率を上げるために、下準備をしていることになる。
デンプンそれ自体には甘味はないが、麦芽糖やブドウ糖はそのものが甘い。
そう考えると、発芽玄米の疑問が少し溶けてくる。
今、毎日、同じお米の、白米と発芽玄米を食べているのですが、口に入れた時の第一印象は、発芽玄米の方が甘みが強い様に感じていました。
糠層の独特の風味があるので、少し気づきにくいのですが、毎日食べ比べているうちに、そのことに気が付きました。
しかも、白米よりも、知らず知らずに多く噛んでいるので、口内でアミラーゼと絡み合う確率も増えるから、より一層、甘みが増して感じられる。
いや、麦芽糖が増えてるはずだから、実際に甘いのだろう。
ということは、発芽玄米にすると、一口目から甘みが強く、また噛めば噛むほど甘くなる、二度美味しい、二度楽しめるお米になるのでは、と気が付きました。
少し整理すると、炊く時に軟水を使う目的と効果は、
硬水のカルシウム・マグネシウムなどのミネラルの独特の苦みや味、香りをお米につけない所にある、ように感じます。
だって、6時間しっかりと吸水させた上での炊飯ですから。これ以上、基本吸いません。
気付きと、考察を書いていましたら、話が脱線してしまいました。すみません。
今回は『研ぎ方』編でしたので、話を戻します。
TVのポイントをまとめると、
①1回目研ぐときは水をすぐ捨てる。【香りUP!】
②2回目以降は、わざと糠臭さを出すために研がない。【食感・旨味・栄養UP!】
この2点かなと。
白米の場合ですと、私も一度、水流でサッと洗い流して終わりですので、同感です。
手も濡れませんし、時間の節約、特に寒くなるとアカギレ対策にもなります。
この方法だと、炊きあがりの香りがたまりません!
ぜひ一度お試し下さい!
6時間浸水後、普通炊きで炊いて、炊き終わり後、直後に、天地返しをして数時間経ったお米。
子供に食べさせようと準備してたら、一粒一粒がしっかり、ふんわりしていたので、思わず見惚れてしまいました。
譲る米(#コシヒカリ)です。
ツヤもなかなかいいですね
炊飯後直後の天地返しが大切なのかも pic.twitter.com/oeZaI9P0rn— 米農家 ばんば@自然と共に (@banba_rice) December 14, 2021
written by てぃ
こんにちわ。
趣味で野菜を作りたいといろいろと考えています。
そのまま食べても甘いニンジン。
軽く焼いて食べるだけで美味しいピーマン。
だしをかけてレンジでチンするだけで美味しいオクラ。
トロトロの液のでる下仁田ネギ。
とれたてをその場で丸かじりが最高のキュウリ。
そんな思いを巡らしながら日々お米づくりを勉強しています。
「もっとお米のことを考えろっ!」!って叱られそうですが、
美味しい野菜と、美味しいご飯の組み合わせって、最高の栄養源、元気の源って感じがしません?
そんな私が、日常の日々の中で見たこと、思ったことなどを皆さんにご紹介させて頂ければなぁと思っています。
こうやってお米って作られるんだぁ、農家の人っていっつもどんな事してるんだろう?
へー、こんなこともしてるんだぁ!
そういう新たな一面というか、そういう驚き?のきっかけになって頂けたらと思います。
これからもよろしくお願いします。
そんな私が働く「ばんばのお米」のホームページは
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