お米選びに読むブログ。お米好きが読むブログ。

「お米選びに読むブログ。お米好きが読むブログ。」ってどんな記事なんだろう?

と思っていたことをそのまま記事にしちゃおうと。

お米の製造・販売してるけど、「うちのお米が一番いい!」「うちの米だけ買ってくれ!」「うちの米だけ食べてくれ!」というつもりは毛頭ありません。思ったことはありません。

「迷ったときは、ぜひ一度うちのお米を試してほしい!」「気分転換でもいいから食べてみて!」「気に入ったら食べてみて!」という願いはありますけど、強要やごり押しはしたくはありません。

もちろん、自社のお米の紹介はしますし、他に負けないこだわりや、なぜ一度食べてもらいたいのか、全社員あげて汗水たらして頑張ったポイントは、大々的に宣伝させて頂きます。お客様とお米をつなぐキューピットがいないと、お米が寂しがるからです。もう生えてきてくれないかもしれません。

「せっかく、こんなに美味しく元気に育ったのに、、、。こんなことなら、来年は芽を出すのやめとこう。もみ殻の中に閉じこもってヒッキーになってやる!二度と出てきてやるか」と、ひねくれちゃうかもしれません。

なので、私からしたら、可愛い愛らしいお米を、その存在をまずはお客様に知って頂きたいのです。

知らねば出会いたいと思うこともありませんから。

さてさてお題の、「お米選びに読むブログ。お米好きが読むブログ。」ですけども、ネットを見てみると、いろんな記事があります。みんな文章も分かりやすくて読みやすいので、ついつい読み進んじゃって、気づいたらカートに入れるボタンを押しそうになっているときもあります。

なので、ここでは、他の記事やブログでは、なかなか読めない、「えっ!こんなこと言っていいの?」「なんか怒ってる?」「これが本当の農業の現場?」「イメージ壊しちゃっていいの?」と感じてしまうように感じてしまうかもしれない、そんな本音の記事を書いていこうと思います。

「大丈夫!心配しないで。私の文章はお世辞でも読みやすいとはいえないので、気付いたときにはカートボタンを押している、という事はありませんので、ご安心してご一読ください」と付記しておきます。

「お米選びに読むブログ。お米好きが読むブログ。」といったら、だいたいの記事は、味やら食感やら、おかずやら、そんな内容が多い様に思います。

だけど、これって人それぞれ違いませんか?みんな同じなら、味付けで喧嘩する夫婦もありません。「あ~なんて平和なのかしら?」

でも私は、そういう事も大切ですが、お米を楽しむには、まず、そのお米の物語を知って頂くのが、お米の旨みを最大限に引き出すコツというかポイントなのでは?と考えています。

ドラマや映画でもこういう事がありませんか?

チラッとCMやあらすじを見たり聞いたりして、第一印象で「あっ、これは別にいいや。私興味ない」って時ありませんか。

私もついこないだありました。

「〇の膵臓を食べたい」というアニメでしたが、なんか見る気がしなかったのですが、見てみた所が、さぁ大変!これが面白くって、うまくって!ネタバレは避けますが、「〇の膵臓を食べたい」というタイトルにはこんな意味があったのか!!

何度も何度も「〇の膵臓を食べたい」というタイトルをかみしめました。

すると不思議も不思議。

最初は、関心すらなかったのに、タイトルを思い出すたびに、かみしめるたびに、このアニメの構成のうまさ、タイトルのつけ方が絶妙と、その面白さ、うま味が湧き水のように出てくるのです!

このアニメの脚本の方、構成の方、スタッフさん、最高っ!とその情緒ある趣ある表現力感動しました。

まぁ、あくまで私個人の乾燥ですが。

第一印象で物事を判断してはいけないとは、自身に訓戒していたのですが、お恥ずかしい限りです。

歌なんかも、そうだと思うんです。耳だけで歌のみを聞いた場合と、アニメやドラマの映像のBGMとして観た(映像と共に歌を聞いた)場合、全然印象が変わってきます。

お米も全く同じだと思うんです。

「自然栽培米」や「農薬を使わないこしひかり」だと、そのままイメージできます。

だけど、たとえば、「特別栽培米」だと、なかなか、どんなお米なのかイメージできません。

じゃあ、どんな内容があるとそのお米のイメージができるのか?

ここが大切な様に思います。

そこで、よく出てくるのが特別栽培米の基準の、「農薬の使用回数」「化学肥料の窒素分」です。

確かにこれは一つの目安にはなると思います。

しかし、あまり知られていませんが、じゃあ、それらは一体いつの時期に使用したのですか?特に「農薬」です。

全ての農薬に使用時期が明記されていて、例えば収穫前の45日前までに、とか、出穂する15日前までに使用しないと残効が残ります、とか、薬害が出る可能性がありますとか、そういった文言があります。

逆に言えば、しっかりと守っていれば、残留農薬は出ないという事です。今の農薬は、そこまでエビデンスが取れているのです。

更に農薬といっても、除草剤用、病害虫の消毒用、生長に関係するホルモン系などがあります。

もっと言えば、除草剤用で、稲にかかっても稲には影響を与えず、雑草だけを枯らすという、「選択性」の農薬もあります。

農薬はもうここまで来ているのです。

ですから、「農薬」と一言で言っても、幅がある、という事を知っておいて頂きたいと思います。

といいながら、私がお米の物語で一番大切なのは「土づくり」の工程にあるのではないかと思っています。

他の野菜などと違い、お米は、「水稲」と言われるように、「水田」だからです。

「水田になるまでにどこまで土壌を育てられたのか?」

ここテストに出ます!

テストには出ませんが、その差は味に出てくると思っています!

では「土づくり」とは、どんなことなのか?

・・・・・・

ついこないだ「土づくり」の勉強会に行ってきました。

大切な事は、掘り起こす土の深さでもなく、水はけでもなく、次田植えが始まるまでに、どうやって藁などを発酵分解させるかでした。

目的田植えが始まるまでに、藁などの有機物を発酵分解させること

手段その目的を果たすために必要ならば、深く掘り起こす、水はけをよくする

この考え方の順番を変えるとおかしなことになる。

水田状態になってしまうと、水中の酸素が減り、無酸素状態に近づくと、腐敗菌が優位に立ち、有機物が腐敗し、根を痛めるガスが発生しやすくなるからです。

当然ながら、根の痛みが、稲の生長に大きな影響を与えます。

だって、生長するための栄養を吸い上げるのが、根だからです。

ポイントは、「元気な根」にあります。

人間だって同じです。

腸内環境が悪いと、どんなに栄養価の高いものを摂取しようと、体の中に吸収されませんし、血肉とはなりません。

なので、病気になるとまず、胃腸に優しいものを食べて、栄養を吸収する腸を元気にしてあげます。

稲だって同じです。

根を痛めないように、田植までの間に、前年度の藁や草などの有機物を、少しでも多く発酵分解できるようにその環境を整えてやります。

その際に大切なのが、土壌菌です。

土壌菌といっても、腐敗菌ではだめです。

①発酵・分解をしてくれる土壌菌であること。

②上記①の土壌菌が少なくても間に合わない。多く均一にいること。

土壌菌と一言で言っても、「質」と「量」が大切になってきます。

先の話に戻りますが、元気な稲を作るためには、元気な根が必要。そのためには土壌菌の質と量が大切。

そのための環境を整えるために、「窒素、ケイ酸、石灰、苦土など」の土壌改良剤をいれる。

発酵分解してくれる良質な土壌菌には好気性のものが多いから、土が酸素に触れるように、水はけをよくしたり、そのために深く起こしたり、特殊な作業機で土を乾かしたりします。

大切なのは、作業をすることではなく、その目的を知ることにあると私は信じています。

目的を忘れ、大きな作業機で、ちょっと違ったことをする、土にこだわっている感が周囲に伝わるようなことをする。

これは違う気がします。(偉そうなことを言ってすみません。でもここは非常に大切なことだと感じます)

 

( ↓ この下から途中までは読み飛ばして頂いて構いません。私の稲作農業の現場への想いが入っていて、農業を想像で見られている方へは、そのイメージを壊してしまうかもしれませんので。でも、同じように感じている現場の人は多いと思います ↓ )

田んぼを深く起こしたり、水はけをよくするためと言って、田んぼの底を傷つける事にはリスクもあることを知らなければなりません。

こだわっていてすごい人!と感銘を受ける人もいるかもしれませんが、現実とイメージは異なります。

田んぼを深く起こす、また田んぼの底を傷つけると、今までなかった大きな石を浮き上がらせたり、車輪の細い田植え機がはまりやすくなったりします。

初年度は良くても、だんだんとそこからほころびが多くなり、タイヤの太いものもはまりやすくなってしまいます。

一度ハマってそこでもがくと、さらに深くその溝が大きく広範囲となります。

そうなると負の連鎖で、その田んぼは使えなくなり、大きな修復・費用が必要になります。

自分の所有している圃場ならいいですけど、お借りしている土地の場合はよくよく考えなければいけないと思います。

農作業は、ただやればいいものではありません。

トラクターはタダでは動いてはくれませんし、燃料費もかかるし、使った分だけ二酸化炭素をまき散らします。もちろん機械自体も消耗します。人が動けば人件費もかかります。

今からの時代は、環境への配慮も心掛けながら、経費も考えなければなりません。

「こういう作業をしたら収穫量が増えた」という事を聞きますが、「そのコストをかけた分の利益は出たのですか?」「どれだけ収穫量が増えたのですか?」「その年は収穫量が増えたのかもしれませんが、その翌年はどうでしたか?」と聞くと、ハッキリと返答できる人はいませんでした。

「まだ計算していない」と返答が返ってくるだけです。そんな時、私はこう思います。

「利益が出たと確信がないのに、なぜするのか」

要は、「これだけの時間、これだけの費用(人件費、燃料費、機械の費用、消耗品費)をかけて、この作業をすることによって、悪い時でも、これだけの利益を毎年確実に出すことができたので、続けています」という人がいないのです。私が出会えていないだけかも。

嘘のようなホントの話ですが、「いいような感じがする」という理由だけで、利益に見合わないコストをかけ、お金を湯水のように使い、圃場を痛めつけている場合も見受けられます。

( ↑ ここまでは割愛して頂いてもかまいません。次から読んで頂ければと思います)

 

誤解してほしくないのですが、他者の非難をしたいわけでなく、「スマート農業」という言葉をよく聞くようになりましたが、本来の意味では、最先端の技術を取り入れ、農作業の効率化、軽老化をすることですが、私は、最小の行動で、最大限の結果を出す事のように感じます。

今後の農業の課題は、本当の「スマート」を考えることにあると思うからです。

それと、「田んぼを深く起こすとよりいい」という意見には、私は懐疑的です。

昔の肥料のない時代とは違い、今は肥料も優秀なものがたくさん出てきています。

今の農業は「肥料農業」です。果たしてそこに「深さ」はそこまで必要なのか?という事です。

ご存知かもしれませんが、今、試験的に地下で稲作が行われている所もあります。

また、水耕栽培が発展し、液肥で色々な野菜が収穫できるようになりました。

水耕栽培には基本、土はありません。

逆に土を深く起こせば、その分、酸素がいきわたらなく、深い所から有機物の腐敗が始まり、より根を痛めるのではなかろうかと、推測もされます。

「こだわっている感を出すための、その人の名誉欲を満たすための農作業」から、「稲主体の農作業」に、また同時に「持続できる農業法人(冷静に、コストと利益を考えられる)」としての在り方を見つめ直す、そんな時が来ているのでは、と思います。

お米の生産農家だけではなく、お米の流通・販売に携わっている方の中にも、同じように考えている方は、意外と多いのではないでしょうか。

最近こんな話を聞きました。この方は生産農家ではありません。お米農家を守ろうと流通に携わっておられる方です。

こういう場面を見たとのこと。

時期後継者が「そんなことまでやってコストをかけてるけど利益のことは考えてるの?」と聞くと、「そんな事はわからん!けど、これはせなならんのだ!」

時期後継者の意見には同感だけど、私からはなかなか言えない。農家を守りたいと思っても、採算の取れないことをしていれば、その農家はつぶれてしまう。

「どうしてそのことが分からないのだろう」と、力になれないことを嘆いておられました。

 

現場を毎日見ている私の意見ですが、これが正解というわけではありません。なのに、こんなことをご紹介しましたのは、「土づくり」といっても、本当にいろいろなやり方があるからなんです。そのことを知って欲しかったのです。

稲作りの始まり、それは「土づくり」。

米作りのドラマは、実にこの「土づくり」から始まるんです!

ですから、お米好きな方が、お米を選ぶ際には、ぜひ「土づくり」から、そのお米の物語の世界を覗いて頂ければなぁ、と切に思っています。

そして、もっともっと、そのお米の魅力、お米の物語を掘り起こして頂きたいな、と。

私たち日本人の主食なのですから。

「お米選びに読むブログ。お米好きが読むブログ。」

大それたタイトルで、内容が劣っているかもしれませんが、新たな発見が一粒でもあったらなら幸いです。

今後とも「ばんばのお米」をよろしくお願い致します。

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