米作りに懸ける思い
石川県白山市は手取扇状地帯の穀倉地帯にあります。標高は2702mの白山から、海まで日本で一番高低差のある市です。晴天の日には霊峰白山を拝み、白山の豊富な雪解け水や伏流水が流れる手取川から、お米の生育に必要な水を引き、自然の恩恵を受けて米作りをしています。
お米は土がなくては育ちません。本来、土は暖かくやさしいものです。たくさんの微生物が棲む微生物の宝庫です。しかし、今、土はコンクリート化されつつあるのです。硬く冷たい土を、私は有機物をたっぷりと含んだ暖かい土にしていきたい。その願いを込め、新しい農法に取り組んでいます。
稲が教えてくれたのです。「土は硬く、冷たい」と。「米」とは、八十八の手(88の作業)によって作られるものと言われてます。しかし、最近の米作りは、効率性を追うばかりに、耕起から刈り取り収穫まで機械化され、除草剤や化学肥料の多投もあって人が田に入ることは少なくなりました。昔から、足跡の多い田んぼほど米がたくさん穫れるとも言います。私たちは、米作りに対する心、土作りという最も大切なことを忘れていたのではないでしょうか。
堆肥などの有機物を入れて何年かすると、土はみるみる若返って軟らかくすべすべしたものに変わりました。その土から新しい芽を出し、数限りない栄養素を吸収して稲はたくましく育ちます。太陽、空気、水、土のみごとなバランスの中で恩恵を受けて育った米は、米本来のおいしさを持っています。農薬は極力抑えて、一粒一粒手間をかけて育て上げます。私たちの心とともに。



















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